Box Office : 1月18日～20日の全米映画ボックスオフィスTOP5の第1位

シャマランひとりよがりの失敗作と酷評されたことで、観客が興味を失った異色のヒーロー映画「グラス」が、予想を大きく下回った結果に甘んじるも、前作「スプリット」と同等の封切り成績を稼いだヒットの初登場第1位 ! !

第1位 (初) 「グラス」(2,000万ドル)

$40,586,000−(3,841館/$10,567)−$40,586,000

Featurette : サラ・ポールソンには気の毒ですが、不要な登場人物のように見なされてる精神科のエリー・ステイプル医師を主に紹介したプロモ・ビデオ ! !

★RT支持率は評論家 36 % , 観客 78 % / Metacritic スコア 42 / 出口調査の CinemaScore B

北米で明日の週明けの月曜日＝1月21日は公民権運動の指導者の故キング牧師を讃えるマーチン・ルーサー・キング・Jr.・デーの祝日ですから、いつもの週末よりも、お休みが1日多いロング・ウィークエンドだけに、その連休を含めた計4日間のうちにいくら稼いだか？！の結果が最も問われるのですが…、

ひとまず、週末3日間の売り上げの通常のオープニング成績として、M・ナイト・シャマラン監督の異色のヒーロー映画「グラス」を封切ったユニバーサル映画が約4,058万6,000ドルの金額を発表しました！！

2000年に公開された「アンブレイカブル」が、ディズニー傘下のタッチストーンの作品だった成り行きから、諸外国ではディズニー映画としてリリースされている「グラス」は、イーストレイル 177便の列車事故の因果を描く物語＝イーストレイル 177・トリロジーの完結編として…、

2017年1月の同時期に全米で公開された第2弾「スプリット」の続編となっています。

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ジェームズ・マカヴォイが演じる多重人格の誘拐犯の凶行を描くホラー・スリラーの映画だと誰もが思っていた「スプリット」は、実は「アンブレイカブル」の続編だったことが明かされる結末の大ドンデン返しが話題となり、大ヒットへと到った次第ですが、封切り成績は約4,001万ドル（3,038館）でした。よって…、

前作よりも多い約約4,058万6,000ドルを稼いだ「グラス」は上々の結果の成功！！と言って、差支えがありませんが、しかし、「アンブレイカブル」以来の本格的な登場となるブルース・ウィリスの不死身かもしれないヒーロー、デヴィッド・ダンと、ジェームズ・マカヴォイの多重人格の悪役ビーストの対決への期待が過熱し、週末の3日間では5,000万ドル以上、計4日間の連休を通しては7,000万ドル以上をも売り上げる大ヒットになるのでは？！と予想されていましたから…、

Movie Clip : 不死身のヒーローのデヴィッドと多重人格の悪役ビーストの対決シーン ! !

オープニング成績の金額は残念ながら、ガッカリの失敗に近い結果のように受けとめられています…。

それではどうして、「グラス」は期待通りの客足を呼び込めなかったのか…？！というのは…、

観客が望んでいたブルース・ウィリスとジェームズ・マカヴォイ、そして、サミュエル・Ｌ・ジャクソンの三つ巴の絡みを本筋として、ガッツリと描くのではなく、サラ・ポールソン（「オーシャンズ 8」2018年）を起用した精神科医のエリー・ステイプルを新たに登場させることで、コミックヒーローは現実に存在するのか…？！というトリロジーのテーマに踏み込もうとしたM・ナイト・シャマラン監督の筋書きが…、

Movie Clip : エリー・ステイプル医師と多重人格の “ 群れ ” との対面シーン ! !

ピントはずれのつまらない展開と指摘されたばかりか、大ドンデン返しのつもり？！として盛り込んだらしい複数のサプライズも総てスベってしまい、効果を発揮しておらず、むしろ、トリロジー全体のストーリーを萎縮させた…と見なされ、M・ナイト・シャマラン監督の悪癖のひとりよがりが再発した…と酷評されてしまったことが大きな原因として考えられそうです…。そして、その酷評に同意するようにして…、

出口調査の観客の評価も “ B ” のスコアとなっていますから、わざわざ映画館に足を運んで観るほどの価値はなかった…と受けとめられてしまったようです。よって、「グラス」は高評価を受けた「スプリット」のように口コミが拡散して、動員を煽るというようなことはなさそうですから、前作の国内での最終的な売り上げ＝約1億3,829万ドルを下回る成績に終わるのかもしれません…。とは言え…、

創作の自由、あるいは、ひとりよがり？！を獲得するために、シャマラン監督が大半の金額を自腹で負担した製作費は約2,000万ドルという安価なものですから、早くも全世界のトータルでは約8,909万ドルを売り上げている自主製作映画？！の「グラス」は、単にビジネスの観点から見れば、確実に黒字を稼ぐ見込みの大成功の映画となっています…！！

Movie Clip : サミュエル・Ｌ・ジャクソンのイライジャ=Mr. グラスが “ 群れ ” と結託し、行動を起こすシーン ! !

なお、ロング・ウィークエンドの4日間の興行成績としては、恐らく4,700万ドル前後の金額を稼ぐものと予想されている「グラス」は、クリント・イーストウッド監督の「アメリカン・スナイパー」（2015年）＝約1億721万ドル（3,555館）、ジェームズ・キャメロン監督の「アバター」（2009年）＝約5,440万ドル（3,285館）、リメイク映画の「ジ・アップサイド」が今週第2位のケヴィン・ハートの主演作「ライド・アロング」（2014年）＝約4,863万ドル（2,663館）に次いで、マーチン・ルーサー・キング・Jr.・デーを含めた連休史上4番めの大ヒット！！という位置づけになりそうです…！！

また、サイコ・ホラー映画として売り込まれた前作「スプリット」は、女性の観客の方が多かったのに対して、コミックヒーロー映画のトリロジーであることが明らかになった完結編「グラス」は、男性の観客の方が多い傾向となっています…！！

B-Roll :「グラス」の撮影の様子を紹介したメイキング・ビデオ ! !