Box Office : 8月9日～11日の全米映画ボックスオフィスTOP5の第4位

かつて児童の若者に観せたいのか、それとも現在の児童に観せたいのか ? ! の狙いが曖昧になってしまったイザベラ・モナーちゃん主演のアドベンチャー映画「ドーラ・アンド・ザ・ロスト・シティ・オブ・ゴールド」が、お宝探しに失敗した不発の初登場第4位 ! !

第4位 (初) 「ドーラ・アンド・ザ・ロスト・シティ・オブ・ゴールド」(4,900万ドル)

$17,000,000−(3,735館/$4,552)−$17,000,000

Trailer : Dora and the Lost City of Gold

★RT の評論家の支持率 81 % / Metacritic スコア 63 / 出口調査の CinemaScore A

2017年末に全米公開された「ジュマンジ : ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」が、ソニピ史上最大ヒット作にまで発展するとは、まさか予想していなかったでしょうけれど、どうやら、大ヒットになりそうだ…という気配を察知したのでは…？！と憶測できそうなパラマウント映画が…、

自分たちもジャングルを舞台にして、似たような映画を作ろうと企画したのに違いないのか、どうか？！はさておき、「ジュマンジ」公開直前の2017年の秋に企画がスタートした「ドーラ・アンド・ザ・ロスト・シティ・オブ・ゴールド」を封切った同社が週末3日間の売り上げの封切り成績として、1,700万ドルの金額を発表したことから…、

そのパラマウント映画が掲げた低い目標値の1,500万ドルは優に超えた大成功？！ながら、しかし、興行関係者が見込んでいた2,500万ドルの売り上げには程遠いガッカリの不発として、TOP 3 にすら食い込むことが出来ませんでした…。

出口調査のスコアが、ほぼ最高の “ A ” を獲得し、評論家からも概ね好評の「ドーラ」は、どうして今ひとつ集客をすることができなかったのか？！、原作のアニメ・シリーズ「ドーラといっしょに大冒険」が最も最初に世に出たパイロット版のオンエアが、1999年だったことを振り返ると、もう約20年間も続いている長寿人気なわけですから、その実写映画化となれば、もっと盛り上がってもよさそうな感じがしないでもありません…。ところが…、

予告編が披露されるやいなや、SNS でツッコミが入ったように、アニメのドーラは7歳の幼い女の子だったはずなのに、どうして、18歳のイザベラ・モナーちゃんが演じて、高校生という設定なのか…？！

パラマウント映画としては、かつて幼い頃にアニメを観ていた視聴者が現在はもう、20歳過ぎの大人…というファンの成長を視野に入れて、主人公のドーラの年齢をあげることにしたのでは…？！と裏読みすることができそうですが、しかし、それと同時にアニメを今観ているファンの児童にも当然、ウケる内容にしなければ…！！と観客層の幅を欲張りすぎたことが敗因なのかもしれません…。つまり…、

今や大人と言える年齢のファンが、子どもの時に大好きだったドーラのキャラクターに抱いているノスタルジックな想いを裏切ってまでして、現在は高校生という設定を採用したのに、現在の視聴者の児童にも配慮したことで、幼稚な部分を強調し過ぎたのでは…？！ということですが、例えば、主人公が同年齢の高校生という設定のトム・ホランド主演の「スパイダーマン」シリーズと予告編を観比べれば、「ドーラ」はやっぱり、アンバランスに観えてしまうのではないでしょうか…？！

そうして観客が、やや引いてしまった結果として、本来なら「ドーラ」を観てくれたかもしれない20歳前後の女性たちが、同日公開の同じく懐かしい児童向けホラー小説を映画化した「スケアリィ・ストーリーズ・トゥ・テル・イン・ザ・ダーク」の方を選んでしまったのか…というのが、まったく異なるジャンルながら、実は似かよった観客の市場をターゲットにして、同時に封切られた2本の映画の勝敗が予想とは裏腹に逆転をした事情だったように思われます…。

「ドーラ」の製作費は約4,900万ドルですから、ファミリー向けのアドベンチャー映画としては、安価とも言えそうな無難な金額ですが、しかし、この出足の結果からすると、最終的には海外の諸外国での売り上げを頼りにしなければ、イザベラ・モナーちゃんが望んでいるような続編へと進むシリーズ化は厳しそうですが、むしろ、作品の規模を縮小して、劇場公開映画ではなく、自宅で楽しめる配信シリーズに切り換えたほうが、この手の児童をも対象とする作品には、ふさわしいかもしれませんね…。

Movie Clip : ドーラと仲間たちが愉快にピンチにおちいる本編シーンをご覧ください ! !