Box Office : 2月28日～3月1日の全米映画ボックスオフィスTOP5の第1位

家庭内暴力の現実の恐怖を重ねることで、透明人間が襲ってくるという使い古された設定の凄みを増し、エリザベス・モスがオスカー級の迫真の演技を披露した好評のホラー「インヴィジヴル・マン」が期待以上のヒットの第1位 ! !

第1位 (初) 「インヴィジヴル・マン」(700万ドル)

$29,000,000−(3,610館/$8,033)−$29,000,000

Movie Clip : エリザベス・モスが演じるセシリアが、透明人間になる特殊なスーツの存在に気づくシーン ! ! （この映画のドンデン返しは別にあるので、これはネタバレではありません）

★RT の評論家の支持率 90 % / Metacritic スコア 71 / 出口調査の CinemaScore B+

「ヴェノム」（2018年）は、この映画を参考にして、パクッたんじゃないの？！と言われたカルト人気作「アップグレード」（2018年）に続けて、リー・ワネル監督の手腕が称賛されている透明人間ホラーの「インヴィジヴル・マン」を封切ったユニバーサル映画が、週末3日間の売り上げのオープニング成績として、約2,900万ドルの金額を発表したことから…、

エリザベス・モス主演作に期待されていた2,000万ドル台の半ばから後半にかけての金額を稼ぐノルマを達成したばかりか、3,000万ドル台に近づいたことで、予想を超えた成功の大ヒット！！と拍手喝采の申し分のない結果が出たことになりました…！！

諸外国で売り上げた約2,020万ドルを追加すると全世界総額の封切り成績は、5,000万ドルに近い約4,920万ドルに達するため、いわゆる低予算の安価な製作費の約700万ドルで作られた「インヴィジヴル・マン」が黒字になるのは、もはや火を見るよりも明らかですが、ユニバーサル映画は…、

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マーベル・シネマティック・ユニバースの大成功に続け！！とばかりに、古典ホラー映画のモンスターたちをアンチ・ヒーローに仕立て上げ、アベンジャーズのような戦隊の結成を目指す！！というピントはずれな試みの “ ダーク・ユニバース ” を即席に構想し、アイアンマンのロバート・ダウニー Jr. に相当する中心人物のモンスター・ヒーローとして、トム・クルーズを起用した第1作めの「ザ・マミー」（2017年）に、2億ドルに近い巨額の製作費を投じたものの、アレックス・カーツマン監督が作った映画がドタバタ・コメディのお笑いと見なされて、沈没し、いきなり何もかも終わってしまった苦い過去があるのを、CIAリーダーのみなさんはきっと珍事件として覚えていらっしゃるはずです。



よって、同社としては、その2億ドルに近い製作費を使った超大作「ザ・マミー」のオープニング成績が約3,167万ドル（4,035館）だった挫折を振り返ると、たったの約700万ドルで作った「透明人間」が、3,000万ドル近い金額を稼いだのは、低予算ホラーのヒットを連発しまっくているプロデューサーのジェイソン・ブラムを起用して、古典ホラー・モンスターをリサイクルする策を練り直したのは大正解！！という手応えが得られたかのようですが…、

しかし、透明のように見える…というか、見えなくなる特殊なスーツを着ることによって、透明人間になる…という科学的？！な設定をもとに、ドメスティック・バイオレンスのテーマを採り入れた「インヴィジヴル・マン」は、ホラー映画というよりかは、大人向けスリラー映画として、真面目に受けとめられたことが成功の理由と見なせそうですから…、

そのホラー映画に社会問題を重ね合わせることで、恐怖に現実味を増すという手法は、同じくジェイソン・ブラムが仕掛け人をつとめ、アカデミー賞まで受賞したジョーダン・ピール監督作「ゲット・アウト」（2017年）が、アフリカ系に対する偏見と差別の社会問題を重ね合わせたことで、ちまたに波紋の議論が持ち上がり、大ヒットになった！！というパターンをなぞったものだけに…、

B-Roll :「インヴィジヴル・マン」の撮影の様子のメイキング・ビデオ ! !

仮りにこの先、 “ ダーク・ユニバース ” では、ハビエル・バルデムが演じるはずだったフランケンシュタインのヒーロー？！、ワンダーウーマンのガル・ガドットが演じるはずだったフランケンシュタインの花嫁の戦うヒロイン？！らを、さらに別の形で復活させるとしても、同じような社会派の切り口を見い出すことができるのか？！、また、同じパターンのくり返しが何度も成功するのか…？！は何とも言えないかもしれません…？！

なお、そもそも実力派だけに当然ですが、オスカー級の名演技との絶賛を案の定、博しているエリザベス・モスのキャリアにおいては、前述のジョーダン・ピール監督の第2作め「アス」（2019年）が叩き出した約7,112万ドル（3,741館）が最高のオープニング成績ですが、この「インヴィジヴル・マン」は、それに次ぐ第2位の売り上げですから、エリザベス単独の主演作としては、彼女史上最高の封切りヒット作だ！！ということになりますね…！！

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