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R.I.P Jonathan Demme :【訃報】オスカー受賞作「羊たちの沈黙」や、「フィラデルフィア」などの傑作を手がけた才人ジョナサン・デミ監督が死去。享年73歳。



折しも先週末に「羊たちの沈黙」(1991年)のパロディの予告編をとりあげて、再評価の機会をもうけたばかりなのに、肝心の作り手のジョナサン・デミ監督がいなくなってしまいました…。


現地のニューヨークでは今日の4月26日(水)の朝に、ジョナサン・デミ監督がお亡くなりになられたことが報じられました。遺族に近い者から伝えられた死因は食道癌と心臓病の合併症によるとのことで、2010年から病いを患っていたそうです。享年は73歳でした。

冒頭でふれたパロディの記事では、恋愛映画として観ての評価を話題にしましたが、ホラー映画のジャンルに属する作品ながら、アカデミー賞の最優秀作品賞を受賞したのは、これまでのところ、この映画が唯一の1本だけ!!という言い方もできる「羊たちの沈黙」の大成功で知られるジョナサン・デミ監督は、1944年にニューヨークで生まれて、70年代から低予算映画王のロジャー・コーマンのもとで、映画作りの仕事をお始めになられました。

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1974年公開のロジャー・コーマン製作「ケージド・ヒート(女刑務所・白昼の暴動)」で監督デビューをした…ということは約43年間にもわたって、映画監督のキャリアを積んできたわけですから、実に息の長い才能の持ち主だった…というのは如実に明らかです。

そのようにジョナサン・デミ監督がショービズの世界で長期間におよんで活躍ができたのは、劇映画のみならず、テレビの世界でも「刑事コロンボ」を手がけたり、お笑いの「サタデー・ナイト・ライヴ」の演出もしたほか、近年では「ザ・キリング」のメガホンもとるなどしていますし…、


さらにまた、ドキュメンタリーの分野でも、ロック・バンドのトーキング・ヘッズのコンサート・フィルム「ストップ・メイキング・センス」(1984年)や、ニール・ヤングとのコラボ作品の数々、そして昨2016年には「ジャスティン・ティンバーレイク+ザ・テネシー・キッズ」を発表されるなどの実績を遺していますから、多才ぶりもさることながら、多くの仕事を次々にこなし続ける器用な人だった…と説明することができそうです。

伝説的なコメディエンヌのゴールディ・ホーンと名優カート・ラッセルとが結ばれて、おしどり夫婦が誕生するキッカケになった「スウィング・シフト」(1984年)を作った人ですよ!!という紹介の仕方もできるジョナサン・デミ監督は、その他に「メルビンとハワード」(1980年)や、トム・ハンクスが2年連続のアカデミー賞最優秀主演男優賞受賞!!の快挙を実現した1本めの「フィラデルフィア」(1993年)、リメイク版「シャレード」の「ザ・トゥルース・アバウト・チャーリー」(2002年)、アン・ハサウェイの演技力が真に評価された「レイチェル・ゲッティング・マリッド」(2008年)などを手がけ、故人の実績を抜きにして、アメリカ映画について語ることはできません…。

そんなジョナサン・デミ監督の劇場用映画の遺作は、大女優のメリル・ストリープがハード・ロッカーの主人公を演じた「リッキー・アンド・ザ・フラッシュ」 (2015年)でした。(↓ 写真)


ドキュメンタリーの仕事での主なテーマとしていた音楽の世界と、言わば本職の劇映画のドラマの世界とが、ひとつになった作品だけに、故人にとっては最期の映画として満足のいく集大成だった…と理解することができるのかもしれません。多彩な実績を遺したジョナサン・デミ監督のご冥福をお祈りください…。

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