Header Ads

Netflix Hates Cannes : 映画のビジネスをめぐる新旧勢力の醜い対決 ! !、カンヌ国際映画祭が矛盾をはらんだ新ルールを決めたことに対して、Netflix が怒りの狼煙をあげた ! !



映画は自宅で楽しむものか、それとも昔ながらの映画館で観るものか?!、配信 VS.興業の戦争です!!


来週の水曜日の5月17日に第70回めが開幕するカンヌ国際映画祭が、来年2018年の第71回めから適用する新しいルールを定めたことについて、ストリーミング・サービス大手の Netflix が反対の姿勢を示し、映画界における新旧の勢力の対立が露わになったことを、ロサンゼルス・タイムズ などが報じました。

カンヌ国際映画祭が新たにどのようなルールを定めたのか…という本題の前に、同映画祭が開催されるフランスの映画産業の取り決めを知ってください。

フランスでは映画館で上映された作品は、ネット配信のストリーミング・サービスでの視聴を開始するまでに、36ヵ月間の間隔を置かなければなりません。つまり、映画が映画館で封切られてから、3年後でなければ、配信で観るのはできないことになります。できるだけ、映画館に足を運ばせようという仕組みですね。


それを前提として、カンヌ国際映画祭が新たに定めたルールというのは、映画祭の核心のコンペに参戦する映画は、フランス国内の映画館で封切られ、興行されるものでなければならないという出品作品に課す条件です。

コンペの出品作は必ず映画館で封切られなければならない…という条件自体は、とにかく、どこの映画館でもよいから、上映すればよいだけなので、それほど難しくはありませんが、Netflix にとっては大きな不都合が生じ、映画館で上映してしまったら、それ以降の3年間は配信ができないことになってしまいます。

よって、映画館での上映と配信を同時に行うか、あるいは配信のみで作品をリリースするストリーミング・サービスの Netflix の業態には、まったくマッチしないことになり、同社は事実上もう、カンヌのコンペには臨むことができないことになります。

このカンヌ国際映画祭の新ルールは、Netflix のほか、Amazon や、Hulu といった配信事業社らを狙い撃ちしているのは、あからさまであることから…、

すでに確立された体制側が自分たちを締め出した…!!

…と、Netflix の CEO のリード・ヘイスティングス氏が Facebook を通じて声明を発表し(↓)、カンヌ国際映画祭が示した方針を非難しました。


Netflix は来週から始まる第70回のコンペに、ポン・ジュノ監督の「オクジャ」と、ノア・バームバック監督の「ザ・マイロウィッツ・ストーリーズ」の2本を出品してますが、来年からはもう、コンペに参戦することはできませんし、映画祭が始まる直前になって、こうして追い出されようとしていることを踏まえると、ポン・ジュノ監督とノア・バームバック監督の映画は、ちゃんと審査をしてもらえるの?!、はなはだ疑問だ!!、インチキをするに違いない!!と言われても仕方がないのかもしれません。

しかしながら、カンヌ国際映画祭の運営の側としては、Netflix の作品は、同社に月々の会費を支払ってる利用者だけが視聴できる…と観賞の機会が限られていることに疑問を抱き、誰もが観られるように出品作を映画館でも上映するように持ちかけたそうですが、Netflix が拒否をしてしまったそうです。

映画祭で紹介される作品は、映画好きの誰もが自由に観られるものであってほしいというカンヌ国際映画祭の考え方は納得できそうですし、ポン・ジュノ監督の地元の韓国では「オクジャ」が映画館で封切られるように、Netflix は映画館での興行にも対応していますから、本来であれば、カンヌの運営側の要望にも応じられるのかもしれません。しかし、フランスでは先に知って頂いた36か月間はストリーミングはダメ!!のルールとの間で板挟みのジレンマになってしまいます…。

そのようにめぐり巡って、カンヌ国際映画祭で新作映画をアピールする機会を奪われてしまったような格好の Netflix 側が、あたかもイジメに遭ったかのような気持ちになるのは同情できそうですし、この新ルールが決まった裏には “ 確立された体制側 ” が絡んでいるに違いないと非難してしまったのも成り行きのように思われます。

Netflix のリード・ヘイスティングス氏が言う “ 確立された体制側 ” というのは、つまり、配信による映画の観賞が日常化し、映画は自宅で観るのが当り前!!になると、自分たちのビジネスが成立しなくなる配給会社や、興業会社、また、映画館そのものといった従来の映画産業の既得権益を守ろうとする古い体制のことですが、しかし、そもそも映画祭は何のためにあるのか?!、何を目的にして、あえて映画同士を比べあうコンペを行うのか?!、優れた作品や、作り手を見つけだして、世に紹介し、スポットを当てることだったのでは…?!という主旨と、新旧のビジネス・モデルの対立は別の話では…?!といった感じがしないでもありません…。


Related: Okja : 「グエムル」のポン・ジュノ監督が再び、クリーチャーをテーマにしたアドベンチャー映画の最新作「オクジャ」の予告編を初公開 ! ! - CIA☆こちら映画中央情報局です

映画の作り手の側としては、出来上がった映画がどのような形で世に出るのかはもちろん、大事でしょうが、でも、その前に製作費が得られて、現実に映画を作ることができる環境を手に入れないことには何も始まらないわけですから、そのチャンスを与えてくれるのが、昔ながらの映画スタジオか、新興勢力の配信事業社なのかなど選り好みはできないのでは…と思われます。特に「オクジャ」のような作品では、そうではないでしょうか?!


だとすると、カンヌ国際映画祭はある意味で、映画祭の主旨であるはずの映画や、その作り手の才能を紹介する役割を自ら否定してしまったようにも思えなくもありませんが、配信によって自宅で観るものは、映画ではない!!ということ何でしょうか…?!

Related: J.J. Abrams Hates Movies :「スター・ウォーズ」で映画館を満席にした J・J・エイブラムス監督が、もはや映画館こそ、観客が映画を観なくなる映画離れの原因になっていると発言 ! ! - CIA Movie News

「スター・ウォーズ」の J・J・エイブラムス監督が、お粗末な映画館の例をあげて、映画館での興行こそが、もはや映画産業の発展の足かせのようになっていると咎め、新作映画も自宅で楽しめる VOD サービスの “ ザ・スクリーニング・ルーム ” の事業を推進していることを先週にお伝えし、大変に大きな反響を賜りましたが、こうして配信 VS.興業の新旧の映画産業の対立がまた如実になったことについて、CIA リーダーの観客の立場のみなさんは、どのようにお考えになられたでしょう…?!

Powered by Blogger.