Justice League : マーベルのヒーロー大集合映画「アベンジャーズ」の監督を起用して、ヒーロー大集合映画「ジャスティス・リーグ」の完成度を高めたいワーナー・DCが費やす驚きの金額と、苦笑するしかないインポッシブルなトラブル ! !
ワーナー・ブラザースが、今春に全米で公開したモーガン・フリーマンとマイケル・ケイン、アラン・アーキンの名優トリオに、ジョーイ・キングちゃんが加わったリメイク映画「ゴーイング・イン・スタイル」の製作費は約2,500万ドルだったのですが、そのザック・ブラフ監督が新作映画をイチから丸ごと1本作るために与えられたのと同じ金額の製作費を使って、ジョス・ウィードン監督が「ジャスティス・リーグ」の撮り直しをしている!!という、ちょっと驚きのレポートを、Variety のジャスティン・クロールとブレント・ラングとが伝えてくれました…!!
映画スタジオが大ヒットを狙って、勝負を賭けるブロックバスター映画の大作が完成を目前にして、追加の撮影を行うのは、もはや、当たり前の作業の流れとして知られていますが、同レポートによれば、通常の仕上げの追加撮影に要される費用は、大体600万ドルから高くても1,000万ドルぐらいまでだそうですから、「ジャスティス・リーグ」の追加の撮影は、どうやら普通とは言いがたい、並外れたものになってしまっているようです。
また、追加の撮影にあてられる日数の期間としては、普通はせいぜい1週間から2週間だそうですから、先月6月上旬にもお伝えしたように、2ヵ月間にも渡って撮影が行われる「ジャスティス・リーグ」は、もう単に追加とは言えず、ジョス・ウィードン監督はそれこそ、映画を丸々1本、新たに作っている…と見なされても仕方のないぐらいの仕事をしているのかもしれない事情が窺えます…。
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さらに通常の仕上げの撮影であれば、その日程が最初から製作スケジュールに組み込まれているため、出演者の俳優たちは自分にお呼びがかかれば、すぐに出かけられるように当然、体を空けて、待っていますが、「ジャスティス・リーグ」の追加撮影では、ヒーローたちは他の仕事の日程とバッティングしてしまってるそうですから、やっぱり、これは普通の追加の仕上げ撮影ではなく、ザック・スナイダー監督が作った映画の内容を、ジョス・ウィードン監督が改めてしまう撮り直しなんだ…ということが察せられます…。
それでは実際のところ、ジョス・ウィードン監督は何を撮影しているの?!というのが当然、気になるわけですが、ジャスティン・クロールとブレント・ラングは、同監督の仕事は、セリフにパンチを持たせることと、結合組織を作ることだ…という伝え方をしています。
ということは、ジョス・ウィードン監督が、ライバルのマーベルの「アベンジャーズ」シリーズで魅せてくれたようなセンスによって、ヒーロー同士の言葉のやりとりの応酬をより息の合った愉快なものに改良しながら、既存の場面と場面との間をつなぐ新たな場面を作っているらしいと理解できそうですから、ザック・スナイダー監督が作った「ジャスティス・リーグ」というのは、前作の「バットマン VS. スーパーマン」(2016年)と同様に、ともすれば場面展開が唐突であったり、スーパーマンが放った “ マーサ ” のひと言によって、バットマンがいきなり自分の考え方を180度変えてしまう…といった矛盾が引き続き、観受けられるような、つまり、つじつまの合わない作品になっていた節が想像できなくもありません…?!
仮りにそうしたジョス・ウィードン監督の役割を単純に解釈して、ドラマの流れがよりウィットに富んで、スムーズに展開するような整合性を持たせるものだとするならば、そこにザック・スナイダー監督のダイナミックなアクションが乗っかるわけですから、「ジャスティス・リーグ」は両監督の持ち味を最大限に活かした最高のコミックヒーロー映画に仕上がることが期待できるのかもしれません…?!
しかし、そうなると「ジャスティス・リーグ」の監督は、最終的には一体、どっちの監督なの?!という作者の名義も気になってしまいますが、その点については、実は一昨日のコミコン版の新しい予告編のリリースにあわせて、ちょっとした波紋が拡がっていました…。
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それと言うのも、イギリスのワーナー・ブラザースが、YouTube の同社の公式のチャンネルから「ジャスティス・リーグ」の新しい予告編をリリースするにあたって、説明書きの紹介文の中に “ A film by Zack Snyder and Joss Whedon ” と、ふたりの監督の名前を並べ、連続に書いたことから、ザック・スナイダー監督とジョス・ウィードン監督の “ 共同監督作品 ” として、ジョス・ウィードン監督の名前もクレジットされる…!!と、大げさに伝えた映画サイトもあり、一部のファンがカン違いをしてしまっています…。
YouTube の説明書きなんて、どうせデジタル・マーケティングの宣伝担当者のうちの誰かが書いたものでしょうから、公式のチャンネル上のものであったとしても、それを根拠に今回のような込み入ったケースでの作者の公式の名義を判断することはできませんし、そもそも、誰が監督なのか…?!という映画の作者を決めるのは、その映画を作っている当の映画スタジオの会社ではなく、あくまでも全米監督協会が、同協会の規約に則って、定めるものですから、実は「ジャスティス・リーグ」の監督は誰?!というのは、ワーナー・ブラザースに決める権利はありません。よって…、
全米監督協会が追って、「ジャスティス・リーグ」の監督は、ザック・スナイダー監督か?!、それとも、ジョス・ウィードン監督なのか?!、あるいは、ふたりの名前を並べて、共同監督とするのか…?!を判断することになりますが、「ゴジラ」(2014年)と「ローグ・ワン」(2016年)の両方において、経験不足の若いギャレス・エドワーズ監督をバックアップして、メガホンをとった師匠?!のトニー・ギルロイ監督が “ 共同監督 ” にはなっていないように、「ジャスティス・リーグ」の大部分を撮影したのはザック・スナイダー監督ですから、そのお手伝いをしたに過ぎないと判断されるに違いないジョス・ウィードン監督には “ 監督 ” としてのクレジットは与えられず、プロデューサーのうちのひとりや、脚本家チームのうちのひとりとして、名前が示されるだけにとどまるのではないか…?!というのが、どうやら妥当な線のようです。
全米監督協会は、ある1本の映画の作り手の “ 監督 ” というのは、ひとりしかいない…というのが基本方針ですから、「キャプテン・アメリカ : シビル・ウォー」(2016年)のアンソニーとジョーのルッソ兄弟監督、ブリー・ラーソンが主演する「キャプテン・マーベル」(2019年3月8日全米公開)のアンナ・ボーデンとライアン・フレックのカップル監督、そして、有名なジョエルとイーサンのコーエン兄弟監督らのように、ハナから二人一組の切っても切れないコンビとして活動していない限りは、容易に “ 共同監督 ” は認めないことになっています。なので、「ジャスティス・リーグ」も表向きの公式は引き続き、ザック・スナイダー監督の単独監督作品として紹介がされることになりそうですが、ただし、メディアや、書き手によっては、もしかすると独自の考え方にもとづいて、ザック・スナイダー監督 / ジョス・ウィードン監督 共同監督作品と書いたりすることがあるのかもしれませんね。
なお、先にふれた出演者のスケジュールが、他の仕事とバッティングをしている…というトラブルに関して、まずワンダーウーマンのガル・ガドットは、今春3月下旬に女の子のマヤちゃんを出産し、現在の主な仕事は “ ママ ” ですから、約2週間におよんだらしい出番に臨むことは特に難しくはなかったそうですし、ダークナイトのベン・アフレックにしても、そもそもワーナー・ブラザースをホームグラウンドとし、いま抱えている「ザ・バットマン」や、「ジ・アカウンタント 2」という企画も、ワーナー作品ですから、社内で調整がつけられます。また、アクアマン役のジェイソン・モモアが「アクアマン」(2018年12月21日全米公開)の撮影を休んだり、ザ・フラッシュのエズラ・ミラーが同じワーナー作品「ハリポタ」スピンオフ「幻の動物とその生息地」の続篇(2018年11月16日全米公開)の撮影を休むのも、どうにか都合をつけられることになります。しかし、厄介になっているのは、まったく他社のパラマウント映画のトム・クルーズ主演作「ミッション : インポッシブル 6」(2018年夏7月28日全米公開)に出演中の状態のスーパーマンのヘンリー・カヴィルだそうで、同スパイ・アクション映画の役作りのために生やしているヒゲを剃ることを、パラマウント映画が契約にもとづいて、許してくれなかったそうです…!!(↓ 写真)
なので、ジョス・ウィードン監督は仕方なく、ヒゲのスーパーマンを撮影し、後から仕上げ作業において、CG を使って、ヒゲを剃る面倒なハメになってしまったそうですが、ワーナー・ブラザースが「ジャスティス・リーグ」に費やす約2,500万ドルの追加の製作費のうち、いったい、どれだけの金額がスーパーマンのヒゲを剃る VFX の作業のために消えていくのか?!、まったく頭の痛いミッションを抱えてしまった次第ですが、いずれ宣伝の話題作りとして、ヒゲを生やした変なスーパーマン?!が登場するメイキング・ビデオを披露するなど、爆笑のネタにして役立てるとよいのかもしれませんね…!!
「バットマン VS. スーパーマン」のザック・スナイダー監督と「アベンジャーズ」のジョス・ウィードン監督が、マーベルとDCの垣根を超えて、タッグを組んだ最高のコミックヒーロー映画!!などと紹介すると、カッコいい感じなので、できれば共同監督作品にしてあげたい「ジャスティス・リーグ」は、今秋11月17日から感謝祭の超目玉映画として、全米の映画館を席巻する予定です…!!