Header Ads

Box Office : 10月6日~8日の全米映画ボックスオフィスBEST10の第1位


レプリカントは子どもを産める ! ! という物語のサプライズがウケなかった「ブレードランナー 2049」を、長すぎて途中で眠くなる退屈映画として、一般の観客が敬遠 ! !、完全に読みがハズレた沈没のオープニング成績しか稼ぐことができなかった初登場第1位 ! !


第1位 (初) 「ブレードランナー 2049(1億5,000万ドル)

$31,525,000−(4,058館/$7,769)−$31,525,000

TV Trailer : Blade Runner 2049



RT支持率は評論家 89 % , 観客 84 % / Metacritic スコア 81 / 出口調査の CinemaScore A-

レプリンカントは、けして、ロボットではなく、あくまでも遺伝子の操作によって造りだされた人造人間ですから、人間の一種?!として、レプリカントは子どもを産むことができる!!という衝撃?!のストーリー展開がウケると思ったらしい作り手らの期待に対して、特に「ブレードランナー」のファンでもなければ、SFオタクでもない一般の観客が冷ややかな反応を示し、「ブレードランナー 2049」が上映時間が長くて、かったるい映画のように見なされて、食わず嫌いをされ、沈没してしまいました…。


リドリー・スコット監督としては、今夏の失敗作「エイリアン : コブナント」に続けて、自分の映画のアイディアが陳腐と見なされ、ウケなかったことになりますから、SF映画の金字塔と言われた「エイリアン」と「ブレードランナー」の両方を、自分の手によって台なしにし、葬ってしまったのかもしれません?!


Related: Box Office :「ブレードランナー」を超えた高評価の続編「2049」が、全米興行で記録破りの大ヒットを期待させる前夜祭興業の成績を達成した絶好調のスタート ! ! - CIA Movie News

一昨日の先週末の土曜日にお伝えした興業レポートでは、記録破りの大ヒットの期待!!と持ちあげておきながら、その翌日の昨日には、興業的挫折の沈没と訂正をした正反対の言い方について、納得がいかない「ブレードランナー」ファンの方もいらっしゃるかと思いますが、結論としては残念ながら、デニス・ ヴィルヌーヴ監督による続編「2049」は、ノルマの4,500万ドル前後の数字を稼ぐことができず、期待された10月公開映画史上第1位の新記録どころか、2013年公開の「ジャッカス」シリーズのスピンオフ「バッド・グランパ」=約3,206万ドル(3,336館)にも劣る約3,153万ドルの封切り成績となってしまいました…。

Related: Box Office :「ブレードランナー 2049」の客足が止まった ! !、記録破りの大ヒット予想から正反対の興行的挫折の沈没映画へと大きく下方修正されてしまった ! ! - CIA Movie News

リドリー・スコット監督のオリジナル映画に勝る出来栄えの傑作!!、映画史に残る名作と言われた前作を上まわる続編が誕生したのは、「ザ・ ゴッドファーザー PART II」(1974年)以来の快挙!!とまで、褒めたたえられた「ブレードランナー 2049」は、なぜ沈没したのか?!、その失敗の理由が当然、気になるかと思いますが、最も大きな要因としては、やはり、同じSFジャンルとは言え、マニア志向の「ブレードランナー」は、「スター・ウォーズ」や、「スター・トレック」などとは違って、ファンの数が圧倒的に少ない市場の小ささによるものと思われます。

つまり、リドリー・スコット監督の「ブレードランナー」は、いくつもの異なるバージョンが存在し、マニアはそれらの違いについて議論をするなどして、楽しんでいますが、世間一般の人にとっては、そんなこと、どうでもいいわけですから、ブランドの価値を過大評価して、多額の製作費をつぎ込んでしまった…と言えそうです。


よって、実はそもそも「ブレードランナー」に対する世間一般の関心は、初めから、かなり薄かったかもしれないのに、それに対して、製作・配給のワーナー・ブラザースとアルコン・エンタテインメント、そして、海外配給のソニー・ピクチャーズの宣伝プロモーションの方針は大失敗の裏目だったかもしれません。

どうして、宣伝が失敗だったのか?!というのは、ネタバレを避けようとするがために、あまりにも映画の内容のストーリーを紹介しなさ過ぎたことから、「ブレードランナー 2049」はどういう映画なのか?!、その見どころが世間一般の人には、サッパリわからなかったのでは…?!ということです。ろくに内容を教えられず、ただ、あの「ブレードランナー」の続編だと言われても、ふつうの人はお金は払えません。

とは言え、その一方で、ほぼ完全に秘密にされていた「ブレードランナー 2049」のストーリーに強い好奇心を抱いていた人たちも確かにいたわけですが、しかし、それはむしろ、仇になってしまったものと考えらます。と言うのは、現在の映画の観客は、以前とは違って、SNS という情報発信力を持っていますし、自分が目にした一切合切を容赦なく、Twitter や、Facebook に書いてしまうため、即座にネタバレはネタバレでなくなってしまいます…。特にこの「ブレードランナー 2049」のように世界同時公開だと、そうなってしまいます。

そのため大ヒットだった前夜祭興業に詰めかけた観客らが、映画の内容をすべて、SNS などに書き出して、議論を始めたことから、「ブレードランナー 2049」のストーリーの秘密とは何なのか?!を知りたくて、ウズウズしていた人たちが我慢できずにネタバレを読んでしまい、知りたいことは全部わかったから、もう映画は観なくていいや!!と満足をして、映画館に足を運んでくれなかったものと思われます…。


なので、あらかじめ宣伝において、ライアン・ゴズリングが演じるブレードランナーの K は、ハリソン・フォードのデッカードとレイチェル=ショーン・ヤングとの間に生まれた息子なのか?!とか、ザ・ジョーカーのジャレッド・レトが演じる悪役ニアンダー・ウォレスの狙いは、新世代のレプリカントの創造主でありながら、自分ではレプリカントに妊娠する機能を与えることができないため、その生殖の秘密を知ろうとして、デッカードを拉致する!!といったストーリーの概略を宣伝の展開を通して、徐々にほのめかし、ある程度の満足を与えながら、でも、真の秘密は何なのか?!、映画館で確認すべき見どころは何なのか?!と、ミステリーの焦点を示したり、逆にぼかしたりして、真偽への関心を引っ張って、それを募らせる駆け引きの工夫をしておけば、よかったのですが、何もハッキリとは教えないために、この映画では多くの人が、SNS のネタバレを読むことに走ってしまったのでは?!と考えられます。


また、そうした他人の率直な感想を読むことによって、物語の展開が遅いから、上映時間の約2時間43分はすごく長く感じる…、途中で退屈になって、寝てしまう…、前作をよく観ていない人にはお薦めしない…、「ブレードランナー」マニア以外の人にはつまらない映画…などといった観客の生の声のうちのネガティブな本音も同時に知ってしまうため、評論家や、ジャーナリスト、またマスコミがどれだけ傑作だと言っても、ふつうの観客は退屈した…などとも言っているのだから、そういう映画に約3時間近くもつき合うのは、お尻が痛くなりそうだ…、前作を観ていないとわからないのか…などと思われ、引かれてしまったことから、パタリと客足が止まってしまったものと考えられます。

映画ファンには、できるだけ予備知識を持たずに映画を観たいという方は少なくありませんが、特に映画に関心を持って、詳しいわけでもない観客や、ましてや、30年以上も前の古い映画の前作のことなんて知らない若い観客に向けては、やはり、「ブレードランナー 2049」はどういう映画なのか?!をある程度まで事前に説明をし、期待を持たせる工夫が必要だったように思われますし、また、出口調査の結果においても、オリジナル映画を知ってる世代の評価こそ高いものの、観客の年齢層が下がるにつれて、評価も正比例して、下がっていく…という結果になっていますから、やはり、今の若い世代には「ブレードランナー」のトーンは重すぎて、物語もスローペース、そして、世界観もよくわからない…ということだったようです。それを踏まえると、映画の内容にも幅広い観客に応じたバランスが求められていたのかもしれません?!

Movie Clip



そうした「ブレードランナー 2049」の興業的挫折を振り返ると、リドリー・スコット監督のご子息さまのお坊ちゃまルーク・スコット監督のショート・フィルムでは、子どものレプリカントの存在がほのめかされていましたが、もっと、ハッキリとレプリカントは子どもを作る…と誰でも理解できるように演出した方がよかったのかもしれませんし、前作を手短にして、レイチェルが特別なレプリカントの存在だったことを紹介したようなもの、本編とは違って、ひたすら、スピーディーなアクションをアピールして、期待させるようなものを作らせるべきだったのかもしれません?!

Related: Blade Runner 2 :「ブレードランナー 2049」の前年2048年を舞台にして、バティスタが演じるレプリカントのサパーの人間らしさを紹介し、切ない気持ちにさせる前日譚のショート・フィルム「どこにも逃げ場はなし」をご覧下さい ! ! - CIA Movie News

いずれにしろ、映画の送り手の側たちが、「ブレードランナー」の価値を過大評価した一方で、現在の SNS のネタバレ・カルチャーを過小評価し、それを予測した駆け引きのプロモーションが出来なかった…というのが、せっかく傑作と言われた続編の動員に急停止のブレーキがかかった敗因のように分析できそうです。

マーベルのコミックヒーロー映画の多くは、おおむねストーリーがわかっていても、大ヒットしますから、極端に秘密主義のプロモーションは逆にネタバレのところにばかり関心が集まって、本来の映画の魅力に目をとめてもらえず、逆効果かもしれません。ネタバレ・カルチャーとのつき合い方は、今後の映画界の課題ですね。


Movie Stills and Posters


























Powered by Blogger.