Box Office : 興行で惨敗のヒーロー大集合映画「ジャスティス・リーグ」が、少なくとも55億円から100億円以上の巨額赤字を抱える沈没の試算が伝えられた ! !
バットマンの力の源は金だ!!なんて、嫌味なセリフで世間の反感を買っていたベン・アフレックはもう、金持ちを自慢できそうにありません?!
Trailer : Justice League
一昨日の全米映画ボックスオフィスBEST10でお伝えしたように、ディズニー・マーベルの超ドル箱映画「アベンジャーズ」シリーズに匹敵するものだったはずのワーナー・DCの「ジャスティス・リーグ」が、観客の関心を誘うことができず、まさかの興行で惨敗をしたショックの余波が続いています…。
Related: Box Office : 11月17日~11月19日の全米映画ボックスオフィスBEST10の第1位 - ワーナーのヒーロー大集合映画「ジャスティス・リーグ」が好評に反して、沈没 ! !、巨額を稼いで、初登場第1位を飾るも、まさかのDC ユニバース史上最低のワースト・オープニング成績を更新し、大赤字が見込まれる絶望的な悪夢の結果 ! !(17.11.20)
CIA でお伝えした9,600万ドルのオープニング成績は、北米で週明けの昨日の月曜日(11月20日)に、実際の売り上げが集計された結果、あろうことか、下方修正されてしまい、現実には9,384万ドルだった…と、ワーナー・ブラザースは訂正しています。
この映画界にショックを与えた「ジャスティス・リーグ」の興行的失敗について、いったい、どれだけの損失の赤字が見込まれるのか?!、その金額を試算した経済メディア Forbes のロブ・ケインによれば、5,000万ドルから1億ドルもの巨額になるだろうとのことです。その内訳は…、
「ジャスティス・リーグ」の推定の製作費の約3億ドルに加えて、Forbes も CIA と同様に宣伝費を約1億5,000万ドルと仮定しています。よって、約4億5,000万ドルが、DCコミックスのヒーロー映画のトータルの製作費になるわけですが、そこにさらに今後の VOD や、テレビ放送のセールスに必要となる諸経費に、様々な支払いの利息金、俳優や技術スタッフの組合への支払い、そして、仕掛け人のプロデューサーに名前を連ねているザック・スナイダー監督や、ベン・アフレックらに追加の報酬まで支払った場合、総額のコストは6億ドルにまで膨れ上がるかもしれないそうです。
その6億ドル近い投資に対して、オープニング成績から推定される北米での最終的な興業成績を、ロブ・ケインは、2億3,500万ドルと見積もり、諸外国での売り上げの見込みの4億ドルを足して、全世界トータルの興行成績は6億3,500万ドル程度になるだろう…と予想しています。
しかしながら、そこから映画館を運営する興業会社などが当然、自分たちの取り分を差し引いてしまうわけですから、国内の売り上げはいきなり、半分近くになりますし、海外ではおしなべて、6割以上が現地の映画館と配給側のものになってしまいます。なので実際に、ハリウッドのワーナー・ブラザースの本社にまでたどり着く興業の売り上げは、2億7,500万ドルぐらいになるだろう…と、大きく減ってしまいます。
その映画館での儲けの2億7,500万ドルのうえに、VOD などのホーム・エンタテインメントの売り上げとして、1億7,000万ドルを見込んで追加し、さらに全世界でのテレビの放送権料が1億ドルは入ってくるだろう…と、Forbes は考えています。
そうするとワーナー・ブラザースの売り上げの総額は、5億4,500万ドルですから、前述のトータル・コストの6億ドルに対して、5,500万ドルが足りないことになります…。
簡単にまとめると、以上のような考え方で、少なくとも5,000万ドル以上から、もしかすると1億ドルに近い赤字になるだろう…と、Forbes は試算している次第ですが、興行が振るわないわけですから、ザック・スナイダー監督らへの追加の報酬はないものとして、上記の試算には含まれていないキャラクター商品などの関連グッズの売り上げを含めると、「ジャスティス・リーグ」はもしかすると、ギリギリのところで収支の釣り合いがとれることになるのかもしれません。
いずれにしろ、試算の金額はすべて憶測ですから、現実に宣伝費が1億5,000万ドルも費やされていたのか?!、企業とのタイアップによって、他社にまかなってもらっている部分もあるわけですし、また、映画の中に CM を盛り込むプロダクト・プレイスメントなどによって、製作費の一部も他社に負担してもらっているはずです。
なので、必ずしも、Forbes の試算通りではありませんから、あくまでも赤字の見込みは仮りの話となりますが、ロブ・ケインは独自に抽出した20本のコミックヒーロー映画の収支をまとめた表(↓)を掲げて、FOX の「X-Men」シリーズのスピンオフ「デッドプール」(2016年)と「ローガン」(2017年)のように、1億ドルを切った安い製作費によって、大儲けしているケースもあれば、マーベルのコミックヒーロー大集合映画のように、2億ドルを超える巨額の製作費を投じて、成功しているパターンもあるわけですから、やはり、あらためて、映画のビジネスは難しいものだという結びに達しています。
なお、「ブレードランナー 2049」の宣伝プロモーションにおいて、あまりにもネタバレを恐れるがあまり、映画の内容をほとんど、伝えなかったことから、そもそも「ブレードランナー」に馴染みのない、ごく一般の世間の人には、いったい、何の映画なのか?!、チンプンカンプンだったため、せっかくの傑作映画が興行で惨敗したのは、ワーナー・ブラザースの下手な宣伝による人災だと指摘している人が少なくありませんが、「ジャスティス・リーグ」においても同様に最も世間によく知られたヒーローであるスーパーマンの登場を隠し続けたのは、もはや誰にも理解ができない宣伝の方針だと、あらためて、ワーナー・ブラザースは宣伝が下手過ぎる素人みたいな仕事だ!!と苦笑され続けていました。しかし、封切りで大コケして、ようやく、わかったのか?!、ポスター(↓)には大慌てで、今さらスーパーマンを追加しています!!
この宣伝では、「アイアンマン : ホームカミング」だよ!!と苦笑されながらも、ソニーが世間一般に無名のトム・ホランド主演作を大ヒットの成功に導いた実績を踏まえると、レイ・フィッシャーのサイボーグや、エズラ・ミラーのザ・フラッシュの参戦を宣伝しても、世間には効果がないわけですから、それよりも、宇宙からの脅威のステッペンウルフに対して、同じく宇宙からやって来たスーパーマンの力がどうしても必要のバットマンとワンダーウーマンは、クラーク・ケントを蘇生させようとする!!、でも、どうやって…?!とでもいった風に、スーパーマンの復活を隠すのではなく、むしろ、そのカムバックのミステリーをこそ、アピールすべきだったのでは…?!
© Warner Bros.
それにしても、ファンはザック版のクールな「ジャスティス・リーグ」を出せ!!と求めてますが、ザック・スナイダー監督のオリジナル映画のVFXを仕上げる追加の製作費は、とても払えそうにありません!!