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Roma : オスカー7冠「グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督が、70年代のメキシコを舞台にした白黒映画の待望の最新作「ローマ」の予告編を初公開 ! !



白黒の撮影は当然、名コンビのエマニュエル・ルベツキか!!と思われそうですが、スケジュールの都合から監督自らカメラマンをつとめました!!


サンドラ・ブロックが文字通りの単独主演をつとめた「グラビティ」が、2014年開催の第86回アカデミー賞の授賞式で計10部門にノミネートのうち、7部門で受賞し、最優秀監督賞のオスカー像が与えられたアルフォンソ・キュアロン監督が、約5年ぶりの最新作「ローマ」の予告編を初公開してくれました…!!

Trailer : Roma


…と言っても、掃除でもしているんでしょうか?!、道の表面に水が流されるだけの予告編は、アルフォンソ・キュアロン監督の新作を待ちわびていた映画ファンの方にとっては期待に反した肩すかしだったかもしれませんが、IndieWire のザック・シャーフの取材に応じた同監督によれば…、


映画の中に描かれたシーンの90%が、ぼく自身の記憶から取り出したものなんだ。ありのまま描いたシーンもあれば、ちょっと遠回しな表現に変えた場合もある。それぞれの瞬間の時のつかの間が、ぼくという人を形作っていったものであると同時に、国家が出来上がっていった経緯でもある。つまり、それはメキシコという国が長きにわたって、移り変わっていった推移の始まりなんだ。

…とのことで、1961年にメキシコ合衆国の首都メキシコ・シティで生まれた同監督が、ようやく、10代になって、多感な思春期を迎えようとしていた70年代を舞台とする「ローマ」は…、

© Netflix

イタリアのローマではなく、メキシコ・シティのローマという地区を舞台とし、現地の中流家庭が、70年代に見舞われることになった波乱の年の出来事をつづる年代記だそうです。

具体的な物語としては、先住民のミシュテカ人の血を受け継いだ若い女性のクレオと、同じくミシュテカ人の同僚のアデラとが、ローマに住まいをかまえる中流家庭を勤め先として、奉公する様が描かれるそうですが、クレオはある悲惨な出来事によって、打ちのめされてしまうことに…。そのクレオが直面する出来事というのは、1971年6月10日のカソリックの祝祭日である聖体の日に、学生たちが起こした反政府デモに武装した兵隊が突入した歴史的事件の「聖体の日の虐殺」だそうですから、予告編に流れている水は、もしかして、その虐殺の血で染まった道路を洗い流している…ということなのかもしれません?!

その政治的な闘争の事件をきっかけとして、クレオはそれまで愛してやまなかった奉公先のソフィアの4人の子どもたちを世話することに抵抗を抱いてしまうことになり、夫の長期不在という問題を抱えているソフィアと、使用人のクレオ、アデラたちは社会の変化に応じて、階級や人種の受けとめ方を見直す新しい価値観を模索する努力を強いられることになるようです…。


アルフォンソ・キュアロン監督が、自分の少年期に影響を与えた家長の女性たちに想いを寄せた叙事詩とも言える白黒映画で、ソフィアの役を演じているマリナ・デ・タヴィラは、メキシコのベテラン女優ですが、それ以外はほぼ無名の新人キャストとなっています。

「グラビティ」や、クライヴ・オーウェン主演のSF映画史上の名作「チルドレン・オブ・メン」(2006年)などがお好きな方にとっては、70年代のメキシコの女性たちを主人公として、自伝的要素を含んだ社会派の人間ドラマとも言えそうな「ローマ」は、アテが外れた作品かとお察ししますが、次回の来年2019年開催の第91回アカデミー賞にまた、アルフォンソ・キュアロン監督が絡んできそうな気配については濃厚かもしれません?!


より多くの人に自分の映画を観てほしい!!というアルフォンソ・キュアロン監督の願いにもとづいて、Netflix とチームを組んだ「ローマ」は、来月8月末の29日に開幕する第75回ヴェネチア国際映画祭でプレミア上映のあと、北米では年末の12月14日に封切り!!、ヴェネチア国際映画祭の審査員長は、アルフォンソ・キュアロン監督とは一緒に製作プロダクションを経営している親友の間柄であり、同世代のメキシコ人のギレルモ・デル・トロ監督ですから、えこひいきはしないまでも、自分にとっても懐かしいはずの70年代のメキシコの物語に、グッときてしまうのではないでしょうか…!!


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