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Suspiria : ダコタ・ジョンソン主演のリメイク・ホラー「サスペリア」は、リメイクではない ! ! と発言した共演者のティルダ・スウィントンが、リメイクの意味論について語ってくれた ! !



例えば、「ラーメン」と聞いて、食べるラーメンを思うのは、あなたが思うからであって、「ラーメン」が最初からラーメンだったわけではない…



…とでも言えば、わかりやすいのでしょうか?!、映画ファンがよく見聞きして、口にもする「リメイク」という言葉の意味論について、ティルダ・スウィントンが語ってくれました!!

私が出演すると決め、役を引き受けたのは、全く違う映画に仕上がるからだったんです!!

…とのことで、「ア・ビガー・スプラッシュ」(2015年)から続けて、ルカ・グァダニーノ監督がメガホンをとるリメイク版「サスペリア」にも出演をすると決めたドクター・ストレンジの師匠のエンシェント・ ワンは、フランスの映画メディア AlloCiné の取材に対して…、

これはとても重要なことだから言っておかなければなりません。リメイクじゃないんです。別のバージョンなんです。


…と、イタリアン・ホラーの帝王ダリオ・アルジェント監督が、1977年に発表したオリジナル映画のカルト作「サスペリア」について…、

私たちはダリオ・アルジェント監督の映画を崇めて、心酔しているんです。あの映画をリメイクするなんて不可能です。

過去の傑作映画をリメイクして、オリジナルが持つ価値の高みを超えるのは不可能…というのは、確かに、ふむふむ、よく聞く見解と理解できますが、では、リメイクではないなら、何なのか?!というと…、

同じストーリーからインスパイアされたものなんです。ただし、別の方角へと向かっていくんですよ…。

となると、映画の内容は概ね似ているだろうし、物語の発端も同じだけれど、でも、ストーリーは別の方向に向けて転がり、キャラクターの人物像も異なる発展をみせることになるのか…?!みたいに解釈ができそうですが…、


もちろん、私は意味論的なことを言っているんです。でも、私は、私たちの「サスペリア」が、リメイク映画ではないことを、人々が知って、理解しておくべきだと思うんです。なぜなら、「リメイク」という言い方は、まるで私たちがオリジナル映画を打ち消そうとでもしてるかのような印象も与えかねませんが、でも、私たちが努めてきたことは、まったく正反対なんです!!

リメイク映画が作られる理由としては、よく知られたオリジナル映画のネームバリューを利用することで、宣伝マーケティングを容易にし、映画がコケて、赤字になってしまうリスクを減らそう…といった商売がらみの現実的な計算ずくや、優れたアイディアを持ったストーリーだけれども、いかんせん時代が変わってしまったことから、例えば、当時は普通でも、現在では差別や虐待と見なされるような表現が含まれているので、世の中の事情や、観客の好みにはマッチしないため、手を加えて、チューンナップしようといった試みのほか、やはり、過去の映画は技術的におぼつかない点があったり、どこかに欠点を持っていたりもするので、それらを修繕して、バージョンアップしようといった考えなど、それぞれ様々な根拠を持っているわけですから、単にひと言「リメイク」とだけ言っても…、


それを受けとめる人によって、含まれる意味合いは千差万別になってしまいそうです。冒頭で例えにあげた「ラーメン」にしても、味噌や醤油に豚骨のほか、インスタントだってありますし、ラーメンマンを連想する人もいるかもしれません、また、「好き」、「嫌い」、「おいしい」、「まずい」へも、思考は拡がっていきます。意味論では「ラーメン」という言葉は、あらかじめ一定の「ラーメン」の意味を持って、世に出たわけではなく、「ラ」と「ー」と「メ」と「ン」の文字をつなげた「記号」ですから、それに決定的な「ラーメン」の意味を与えるのは、それぞれの人が個々に自分の中で決めてしまうことになるため、単に「ラーメン」からの連想では誤解が生じるので、「リメイク」の意味だって、それと同じことになります。

そうした " 何でもカンタンに、わかりやすいひと言にまとめてしまうなよ… " 的な " 言葉の意味論 " を持ち出したユニークな語り手のティルダ・スウィントンは、さらに…、

ちょっと大げさに話を拡げてしまうかもしれませんが、フランシス・ベーコンは、ディエゴ・ベラスケスが描いた「教皇インノケンティウス10世の肖像画」(1650年)をもとにして、自分の作品「ベラスケスによるインノケンティウス10世の肖像画後の習作」(1953年)を描きましたが、フランシスは「リメイク」をしてはいません。

★ 下 ↓ の左が、ベラスケス作のインノケンティウス10世。右側が、フランシス・ベーコン作のインノケンティウス10世です。


…とのことで、とどのつまり、リメイク版「サスペリア」は、リメイク映画ではないと言い張るティルダ・スウィントンは、何を言いたいのか?!と言うと…、

これは最大限の賛辞に他なりません。どうしてかと言うと、オリジナルを創作した人は、自分が思いついたアイディアを、しくじることなく存分に表現したばかりか、そこから、さらに別の世界へと向かうインスパイアのひらめきを、私たちに与えるほどの力強さを持っていたのですから…!!

ダリオ・アルジェント監督の「サスペリア」を、ひらめきの出発点としたルカ・グァダニーノ監督の「サスペリア」が具体的には、どういう作品なのか?!、その実際のところはまだ、わかりませんが…、

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けして、カンタンに「リメイク」と、ひと言で言って、すまされるものではないらしいことや、映画に限らず、創作の奥深さや、物事の意味を考えることについて語ってくれたようにも受けとめられるティルダ・スウィントンのお話は感銘深いものだったように思われます。しかし、そうした教養はさておき…、


彼女が例にあげてくれたベラスケスの教皇インノケンティウス10世よりも、フランシス・ベーコンのインノケンティウス10世のほうが怖いですから、新しい「サスペリア」が、オリジナルの「サスペリア」よりも怖いことに期待をしておきましょう…!!

ダコタ・ジョンソン主演の新しい「サスペリア」で、ティルダ・スウィントンと一緒に共演者に名前を連ねているのは、ホラー映画を得意としているイニッド・クリシンスキーのほか、「ニンフォマニアック」(2013年)のミア・ゴス、そして、オリジナル映画に主演したジェシカ・ハーパーが新たに別の役を演じてくれているようです!!、なお、ゴブリンに代わって、新たに音楽を手がけているのは、レディオヘッドのトム・ヨークです!!、映画の全米公開日は、たぶん来年2018年中というだけの未定です。


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