Box Office : 4月19日～21日の全米映画ボックスオフィスTOP5の第1位

全米が「エンドゲーム」待ちに入ったことで、16年ぶりの不入りのイースターの週末に、「ザ・カース・オブ・ラ・ヨローナ」が、ザ・カンジュアリング系のホラー映画としては、最低の封切り成績ながら、期待値を超えたヒットの第1位 ! !

第1位 (初) 「ザ・カース・オブ・ラ・ヨローナ」(900万ドル)

$26,505,000−(3,372館/$7,860)−$26,505,000

Featurette : 物語の下敷きに採用した中南米の恐ろしい伝承の「嘆き悲しむ女」について語られているプロモ・ビデオ ! !

★RT の評論家の支持率 32 % / Metacritic スコア 41 / 出口調査の CinemaScore B-

コミックヒーロー映画の「アクアマン」（2018年）も大ヒットになったジェームズ・ワン監督が、本来のホラー映画の達人として、仕掛け人をつとめる「ザ・カンジュアリング」シリーズの第6作めにあたる「ザ・カース・オブ・ラ・ヨローナ」を、あろうことか、キリストの復活をお祝いするイースターの週末に封切ったワーナー・ブラザースが…、

週末3日間の売り上げのオープニング成績の見込みとして、約2,651万ドルの金額を発表したことから、業界筋が当初に予想した1,700万ドル前後の金額を大きく上まわるヒットになったばかりか、ワーナーとしては、「シャザム」の2週連続第1位から続けて、首位をキープした3週末連続の全米映画興行制覇！！の万々歳となりました！！、しかしながら…、

ザ・カンジュアリング・ユニバースの封切り成績と国内での最終的な売り上げ

第1位 「ザ・ナン」（2018年）　5,381万ドル（3,876館） >>> 1億1,745万ドル
第2位 「ザ・カンジュアリング」（2013年）　4,186万ドル（2,903館） >>> 1億3,740万ドル
第3位 「ザ・カンジュアリング 2」（2016年）　4,041万ドル（3,343館） >>> 1億247万ドル
第4位 「アナベル」（2014年）　3,713万ドル（3,185館） >>> 8,427万ドル
第5位 「アナベル : クリエイション」（2017年）　3,501万ドル（3,502館） >>> 1億209万ドル

ご覧のようにザ・カンジュアリング・ユニバースのホラー映画としては、3,000万ドル台を切ってしまったワースト記録更新の最低の封切り成績だったことになります。また、映画の出来栄えにしても…、

トニー・アメンドーラが演じるペレズ神父（↑）は縁起がよくないのか？！、彼が登場した「アナベル」と同様に低いレビューの評価を与えられてしまっています…。とは言え…、

製作費が例によって、安価の約900万ドルしか使われていませんから、全世界トータルのオープニング成績としては、もう約5,651万ドルを稼いでしまっている「ザ・カース・オブ・ラ・ヨローナ」が黒字確定なのは間違いありませんし、最も失敗作と評された「ザ・ナン」が世界総売り上げにおいては、ユニバース史上最大のヒットになったことを踏まえると…、

今どきのホラー映画の観客たちはビックリやドッキリの瞬間さえ楽しませてくれれば、映画としての完成度はどうでもいい…と、つまり、映画鑑賞と言うよりは、お化け屋敷に入るような気持ちで？！、映画館に来ているようですから、「ザ・カース・オブ・ラ・ヨローナ」の評価が低いことも特に動員の客足を引っ張るようなことはないのかもしれません。ただし…、

B-Roll :「ザ・カース・オブ・ラ・ヨローナ」の撮影の様子のメイキング・ビデオ ! !

不評の「ザ・カース・オブ・ラ・ヨローナ」のメガホンをとったマイケル・チャベス監督が、ジェームズ・ワン監督に代わって、本流の「ザ・カンジュアリング」シリーズの第3作め（2020年全米公開予定）を手がけるのか…というのには、これまでのシリーズのファンの方はやや、ガッカリかもしれません…？！

それにしても、意外にも「ザ・カース・オブ・ラ・ヨローナ」が予想を超えるヒットになった背景には…、

今週末4月26日前後の日付けに、世界各国で「アベンジャーズ : エンドゲーム」が封切られるや否や、市場を独占してしまうのは目に見えていること、そして、ホラー映画の興行は、2週めには客足が大きく引いてしまう垂直落下が珍しくないことを考慮すると、他社が「エンドゲーム」を避けて、新作映画を出し惜しみしたイースターに、不評の低予算ホラーの「ザ・カース・オブ・ラ・ヨローナ」を唯一の新作として公開し、封切りの週末だけヒットすれば、2週め以降はもう、どうでもいい…

…という開き直った意図だったのかもしれないワーナー・ブラザースの公開戦略こそが導いた大成功だったと言えるのかもしれません。なお、業界メディアの Deadline によれば、誰もが今週末の「アベンジャーズ : エンドゲーム」に備えて、映画に使うお金を節約したらしいことから、今年2019年のイースターの復活祭興行は、2003年以来の歴史的な不入りになる見込みだそうです。

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