Box Office : 5月24日～26日の全米映画ボックスオフィスTOP5の第1位

ディズニーの実写版「アラジン」が、観客のターゲットの女性ではなく、ウィル・スミスの最新作として、あえて、男性に向けた宣伝が功を奏し、フレッシュ・プリンス史上2番めの封切り大ヒットを叩き出した初登場第1位 ! !

第1位 (初) 「アラジン」(1億8,300万ドル)

$86,100,000−(4,476館/$19,236)−$86,100,000

Trailer : Aladdin

★RT の評論家の支持率 58 % / Metacritic スコア 54 / 出口調査の CinemaScore A

北米では明日の月曜日（5月27日）のメモリアル・デー（戦没将兵追悼記念日）のお休みを含めたロング・ウィークエンドの話題作として、1992年公開の同名アニメ映画を実写化した「アラジン」を封切ったディズニーが、週末3日間の売り上げのオープニング成績の見込みを、8,610万ドルと発表したことから…、

ディズニーの古典アニメ、もしくは古典ファンタジーの実写化の封切り成績のBEST5

第1位 「美女と野獣」（2017年）　1億7,475万ドル（4,210館） >>> 5億401万ドル
第2位 「アリス・イン・ワンダーランド」（2010年）　1億1,610万ドル（3,728館） >>> 3億3,419万ドル
第3位 「ザ・ジャングル・ブック」（2016年）　1億326万ドル（4,028館） >>> 3億6,400万ドル
第4位 「アラジン」（2019年）　8,610万ドル（4,476館） >>> ？億？？？万ドル
第5位 「オズ・ザ・グレート＆パワフル」（2013年）　7,911万ドル（3,912館） >>> 2億3,491万ドル

…といった次第で、「美女と野獣」ほどの超特大ヒットではないものの、昨2018年に公開した「くるみ割り人形」と「メリー・ポピンズ・リターンズ」、今春3月末に封切った「ダンボ」のいずれも今ひとつ振るわなかったことから、この実写化路線はもう飽きられたかと不安視されましたが…、

明日の祝日の売り上げの見込みを含めると大台の1億ドルを突破し、1億1,000万ドルに乗り上げる可能性もあり得ることを予想すると、4日間の封切り成績としては「ザ・ジャングル・ブック」を超えそうなわけですから、さすがに「アラジン」の潜在的な人気は非常に高かったようです…！！

また、昨2018年のメモリアル・デー興行の勝負映画として封切った「スター・ウォーズ」外伝の第2章「ソロ」の週末3日間の売り上げは約8,442万ドル（4,381館）でしたから、「スター・ウォーズ」としては不発と言われたスピンオフ映画の記録をも超えたわけですが、ただし、「アラジン」は…、

ディズニーのメモリアル・デー興行の映画としては史上最高の新記録となる4,476館で上映の超々拡大公開での封切りとなっています！！、よって、1館あたりの平均の売り上げに着目すると、「ソロ」が約1万9,270ドルを稼いでいたのに対し、「アラジン」は約1万9,236ドルですから、僅差で負けているため、必ずしも「スター・ウォーズ」を超えたとまでは言いきれそうにはありません。しかしながら…、

メモリアル・デー興行の封切り成績のBEST5

第1位 「パイレーツ・オブ・ザ・カリビアン 3」（2007年）　1億3,980万ドル（4,362館）
第2位 「インディアナ・ジョーンズ 4」（2008年）　1億2,692万ドル（4,260館）
第3位 「X-Men : ザ・ラスト・スタンド」（2006年）　1億2,286万ドル（3,690館）
第4位 「ワイルド・スピード 6」（2013年）　1億1,704万ドル（3,658館）
第5位 「X-Men : デイズ・オブ・フューチャー・パスト」（2014年）　1億1,058万ドル（3,996館）

上映館の数の多さで優位に立つドミナントの恩恵を被っているとは言え、仮りに前述のように、明日の売り上げを含めた4日間の封切り成績が 1億1,000万ドルを突破すれば、「アラジン」はもしかすると「デイズ・オブ・フューチャー・パスト」を抜いて、ひとまず、メモリアル・デー興行史上5番めの大ヒット作！！と宣伝することが出来そうかもしれません…！！

そして、メガホンをとったマドンナの元夫としては、2015年夏公開の「ザ・マン・フロム・ U.N.C.L.E.」＝封切り成績は約1,342万ドル（3,638館）、2017年夏公開の「キング・アーサー」＝封切り成績は約1,537万ドル（3,702館）と、ワーナー・ブラザースで手がけた前2作が即死と言えるほどの沈没だっただけに、これまでの封切り成績の自己ベスト「シャーロック・ホームズ」（2009年）＝約6,230万ドル（3,626館）を上まわる新記録を達成し、どうにか、三振のアウトを免れた「アラジン」の成功の秘訣としては…、

あらかじめ集客が見込まれる女性ではなく、むしろ、男性をターゲットとして、NFL のアメフトや、NBA のバスケの大一番の試合中継に CM を投入し、ウィル・スミスの新作映画として、アピールすることにつとめた宣伝戦略が功を奏したものと考えられていますが、当のフレッシュ・プリンスとしては…、

悪のヒーロー映画「スーサイド・スクワッド」（2016年）＝封切り成績は約1億3,368万ドル（4,255館）に次いで、「アラジン」はウィル・スミス史上2番めのオープニング・ヒットとなっています！！、しかし、悪役特攻部隊の人気をけん引したのは、マーゴット・ロビーのハーレー・クインだったのでは？！というのを考慮すると、ウィル・スミスの存在感をアピールすることで集客を煽った映画としては、「アラジン」は実際のところ、自己ベストの封切り大ヒット！！と見なして、解釈することができるかもしれません！！、とは言え…、

公称の製作費が約1億8,300万ドルと巨額だけに、全世界トータルの封切り成績としては、2億ドルを突破した約2億710万ドルを稼いだものの、黒字にいたるのは、そう容易ではなさそうかもしれません。よって、総じて言えば、「アラジン」の大ヒットは、大企業が巨額を投じて、数で圧倒する力技で無理にひねり出したもの…

Featurette : ガイ・リッチー監督の前作「キング・アーサー」や「ゲーム・オブ・スローンズ」などを手がけた美術監督のジェマ・ジャクソンを起用し、巨額を投じて創り出された物語の舞台のアグラバー王国の壮大なセットを紹介したプロモ・ビデオ ! !

…と受けとめるような方もいらっしゃるかもしれません。でも、肝心の映画の内容の評価については、出口調査のスコアは最高の “ A ” が与えられていますから、観客は大いに満足をしていることになります！！、なので、ディズニーとしては、「アラジン」に賭けて、あの手この手の手を尽くし、大ヒットを導く仕掛けはした、あとは口コミがひとり歩きをしてくれさえすれば…ということになるのかもしれませんね…！！

B-Roll :「アラジン」の撮影風景を紹介したメイキング・ビデオ ! !