Dark Phoenix :「X-Men」シリーズ最終章の沈没映画「ダーク・フェニックス」は、実は「キャプテン・マーベル」だった当初の結末について、目から光線のサイクロプス=タイ・シェリダンが語ってくれた ! !
撮り直しを行って、変更が加えられる前の結末のお話ですから、世界各国で現在上映中の「ダーク・フェニックス」のネタバレではありません!!
20世紀FOX の「X-Men」シリーズでは、エヴァン・ピーターズが演じる超高速ミュータントのクイックシルバーが、ディズニーのマーベル・シネマティック・ユニバースでは、アーロン・テイラー=ジョンソンが扮して、「アベンジャーズ : エイジ・オブ・ウルトロン」(2015年)に登場し…と、まったく同じキャラクターのはずなのに、それぞれ別の俳優が演じて、ふたりのクイックシルバーが存在することになった…
…というディズニー VS. FOX のクイックシルバー対決?!について、CIA リーダーのコミックヒーロー映画ファンのみなさんは当然、覚えているはずですが…、
全米公開中の「ダーク・フェニックス」で、ジェシカ・チャステインが演じているエイリアンの “ ヴァ ” は、最も最初の設定では「キャプテン・マーベル」に登場したエイリアンのスクラル人だったことを、目から光線のサイクロプスこと、 スコット・サマーズ役のタイ・シェリダンが明らかにしてくれました…!!
「ダーク・フェニックス」が撮り直しをするハメになった理由について、メガホンをとったサイモン・キンバーグ監督が、イギリスの Yahoo Movies のトム・バトラーの取材に応じ、“ 最近に公開された別のコミックヒーロー映画に似ていたから… ” と語ったことから、ダーク・フェニックスのジーン・グレイ=ソフィー・ターナーと同様に強大なパワーを持つキャロル・ダンバース=ブリー・ラーソンが不死鳥のように光り輝いていた「キャプテン・マーベル」のことを言っているのではないか…?!と憶測されたのですが…、
さらに io9 のチャールス・プリアム=ムーアの取材に応じた同監督が “ 自分の狙いはむしろ「キャプテン・アメリカ : シビル・ウォー」(2016年)に近いものだった…” と語ったことから、ディズニー・マーベルの今春の大ヒット作とカブったわけではなかったのか…とも思われました。しかしながら、CinemaBlend のポッドキャストにゲスト出演したサイクロプスによれば…、
「ダーク・フェニックス」の結末がどういうものだったかを覚えておくのは、ぼくにとっては、マジで厄介なんだけれど…
…と、脚本がくり返し書き直されて、撮り直しも行われ、映画の内容が二転三転した経緯について、どうやら揶揄したらしい発言のあと…、
そもそもの脚本に書かれていたエンディングでは、チャールズとスコットが国連に出かけるんだ。そこで彼らは国連の代表に対して、地球がエイリアンによる侵略の危機に晒されていることや、ジーン・グレイの身柄を確保したことなんかを、まぁ、とにかく、話すことになるんだ。
…だそうですから、「ダーク・フェニックス」の結末の舞台は当初の予定では、ニューヨークの国連本部になるはずだったようです。そして、タイ・シェリダンによると…、
ジーンが国連本部の前に現れて、彼女と国連の警備隊との間で激しい戦闘が始まるんだけど、実は国連の警備隊は全員、スクラル人が人間に成りすましていたことが明らかになるんだ…!!
…といった次第で、「キャプテン・マーベル」が、エイリアンのスクラル人をどう描いたのか?!については、あえて書かないことにしますが、前述のクイックシルバーと同様にスクラル人を映画に登場させる権利をあわせ持っていた FOX は、その自由自在に姿を変えるエイリアンを「ダーク・フェニックス」の悪役として、使うつもりだったようです。タイ・シェリダンは…、
国連の前の噴水で、スコットがスクラル人を相手に悪戦苦闘しているところに、ジーンがやって来て、連中をひとり残らず退治してしまうんだ。それから宇宙に飛び去っていく彼女が、スコットとチャールズに向かって、さようならと告げる…で、おしまい!!みたいな感じだったと思うよ。
現実に完成し、上映中の「ダーク・フェニックス」の中で、ジェシカ・チャステインが演じているエイリアンは、原作コミックに登場したダバリ、もしくはディバリの “ ヴァ ” として紹介されるのですが、しかし、ダバリというエイリアンはどういう存在なのか?!については詳しくは描かれないため、原作の予備知識を持たない観客は今ひとつ、フに落ちないまま、物語が展開してしまう…と評されているのですが、そうした結果になったのは、とりもなおさず…、
ディズニーが FOX を買収して、傘下におさめる運びになったことで、公開前の「ダーク・フェニックス」の内容を点検し、「キャプテン・マーベル」とカブっていることを問題視し、変更を求めたのであろうことは容易に想像がつきそうです…。なので、スクラル人として描いたものを、後から取ってつけるようにして、ダバリ人に変えたことも失敗の要因のひとつか…と受けとめることができるのかもしれません…。
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なお、サイモン・キンバーグ監督が、むしろ「シビル・ウォー」を目指した…というのは、同コミックヒーロー大集合映画では、スパイダーマンが初登場したダイナミックな見せ場のバトルが結末ではなく…、
エンディングの手前に置かれ、真の幕切れはアイアンマンとキャプテン・アメリカ、ウィンター・ソルジャーらの確執にもとづく私闘だった…というように、物語の終わりは観客の目を楽しませるよりも、感情に訴えかけるものにした構成をお手本にしたかったそうです…!!、なので、国連本部を舞台に、ジェームズ・マカヴォイのチャールズとタイ・シェリダンのサイクロプス、そして、ソフィー・ターナーのジーン・グレイという核となる3名の登場人物の感情だけに絞る幕切れにしたかったんでしょうね…。
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