Box Office : 6月28日～30日の全米映画ボックスオフィスTOP5の第3位

ビートルズが突然、人々の記憶から消えたなら ? ! 、名匠ダニー・ボイル監督が、もしも…の世界を舞台に、思いがけずパクリの成功を手にした青年の戸惑いと恋を描いたチャーミングなミュージカル映画「イエスタデイ」が観客の共感を集め、期待値を超えるヒットの初登場第3位 ! !

第3位 (初) 「イエスタデイ」(2,600万ドル)

$17,000,000−(2,603館/$6,531)−$17,000,000

名曲「ヘイ・ジュード」を「ヘイ・デュード」に変えるなんて、けしからん…！！と、ビートルズの音楽を愛してやまないファンの一部から、お叱りの声もあがっていますが…、

幼なじみのエリー＝リリー・ジェームズからの誕生日プレゼントのギターで、「イエスタデイ」を歌ったことから、ジャック＝ヒメシュ・パテルが世界の異変に気づくことに… ! !

★RT の評論家の支持率 60 % / Metacritic スコア 55 / 出口調査の CinemaScore A-

「ノッティングヒルの恋人」（1999年）や「ラブ・アクチュアリー」（2003年）などのロマコメを得意としてきた脚本家リチャード・カーティスのオリジナル・シナリオをもとにして、ダニー・ボイル監督がメガホンをとった「イエスタデイ」を封切ったユニバーサル映画が、週末3日間の売り上げのオープニング成績の見込みとして、1,700万ドルの金額を発表したことから…、

ヒロインのいとしのエリーを演じたシンデレラとしては、やはり、リチャード・カーティスが原案を執筆し、ユニバーサル映画が昨2018年夏に封切ったミュージカル映画の主演作「マンマ・ミーア ! ヒア・ウィ・ゴー・アゲイン」の同成績＝約3,495万ドル（3,317館）と比べると、たったの半分か…と何だか、ガッカリのイメージになってしまいますが、しかし…、

そうしたヒット作の続編でもなければ、すでに世間にタイトルが知られた既存の原作、もしくはブランドに依存していない全くオリジナルのミュージカル映画の製作費として、約2,600万ドルの控えめな投資をしたユニバーサル映画が期待していたのは、1,000万ドル台の前半でしたから…、

そのノルマは存分に超えたばかりか、レオナルド・ディカプリオが主演した「ザ・ビーチ」（2000年）の封切り成績＝約1,528万ドル（2,547館）を超えて、ダニー・ボイル監督の全米公開映画としては意外にも、新たに自己ベストを記録した №.1 のオープニング・ヒットとなっています…！！

“ I Want to Hold Your Hand ”、つまり、「抱きしめたい」をフィーチャーしたキュートなミュージック・クリップ ! !

ただし、まったくオリジナルと言っても、ある夜、突然、この世からビートルズが消えたなら…？！というのは際立って、独創的なアイディアとも言えず、似たような “ もしも…？！ ” は、コントのネタにありがちの設定ですから、それを他愛のないロマコメにしたことについて、評論家の評価は今ひとつ、パッとしていないものの…、

評論家とは裏腹に観客は感激して、ダニー・ボイル監督のお手並みに大いに満足をしたらしく、出口調査のスコアは最高に近い “ A- ” が与えられていますから、好評の口コミによって、集客を維持できそうですし、配信や Blu-ray のセールスといった二次三次の市場でも、それなりの成功をおさめそうかもしれません？！

ダニー・ボイル監督のミュージカル映画と聞いて、あのオスカー計8冠を果たした映画史上の名作「スラムドッグ・ミリオネア」（2008年）のような爆発的な絶賛の大ヒット作に発展するものを期待していた方にとっては、もしかすると肩すかしかもしれませんが、コミックヒーロー映画やド派手なアクションが売りのブロックバスター映画が市場を独占している現状において、オリジナルのロマコメのミュージカルが製作費の規模に応じたヒットを果たしたというのは、むしろ、大健闘と讃えられて、然るべきかも…？！

B-Roll :「イエスタデイ」の撮影風景のメイキング・ビデオ ! !