94th Academy Awards -'CODA' Wins Best Picture, 'Dune' with 6 Oscars : 第94回 アカデミー賞の最優秀作品賞が、オスカー史上初の配信映画に栄冠の「コーダ」が選ばれた快挙の一方、SF 超大作「デューン」が最多の6部門を受賞 ! !
いまの観客のうち特に若年層は、ジャーナリストのお薦めや、賞を獲ったか否かではなく、自分のモノサシに照らし合わせて、観たい映画を選ぶから…
もう以前のようには映画賞は注目されませんが、授賞式の進め方とテレビ放送の視聴率の絡みをめぐって、様々な失敗をくり返し、もはや映画ファンから、すっかり嫌われてしまった感のあるアカデミー賞の授賞式が、おなじみのハリウッドのドルビー・シアターで、いよいよ明日の本日3月27日の日曜日に開催です!!
恋愛映画の傑作「トレインレック」(2015年)などで人気の女芸人のエイミー・シューマーと、「バッド・マムズ」シリーズなどの同じく女芸人ワンダ・サイクス、そして、アカデミー賞の最優秀作品賞に選ばれてもよかった「ザ・ヘイト・U・ギヴ」(2018年)などの女優のレジーナ・ホールの女性トリオが司会をつとめる第94回めのオスカーの候補のリストをご確認いただき、あなたの予想を決めておいてください…!!
※ 当日の授賞式の進展に応じて、以下 ↓ のリストの候補のうち選ばれた受賞には★をつけていき、このページは最終的に第94回 オスカー受賞の記事とさせて頂きます。なお、参考として、最も重要な前哨戦のギルド賞の PGA賞、DGA賞、SAG賞、WGA賞の受賞と候補には、それを書き添えています。
複数のオスカー像を持ち帰った映画は、以下の3本でした…!!
★★★★★★「デューン」=撮影賞・編集賞・視覚効果賞・音響賞・作曲賞・美術賞
★★★「コーダ」=作品賞・助演男優賞・脚色賞
★★「アイズ・オブ・タミー・フェイ」=主演女優賞・メイクアップ賞
★★★「コーダ」=作品賞・助演男優賞・脚色賞
★★「アイズ・オブ・タミー・フェイ」=主演女優賞・メイクアップ賞
最優秀作品賞 - BEST PICTURE
★ PGA賞受賞「コーダ」(Apple TV+)
映画館では上映されていない配信だけの映画が、アカデミー賞史上初めて、最優秀作品賞に選ばれた…!!
…と言っても、フランス映画の「ベリエ家の人たち」(2014年)をリメイクしたシアン・ヘダー監督としては、初めから配信リリースを目指したわけではなく、昨2021年開催のサンダンス映画祭でのプレミア上映で、大いに好評を博したことで、これは視聴者にウケる…ッ!!と踏んだ Apple TV+ が…、
製作費は約1,000万ドルの小品と言える規模のインディーズ系映画なのに、破格の約2,500万ドルを支払い、買い付けた経緯から配信リリースになっただけであり、諸外国では映画館でも上映されていますから、必ずしも「配信映画」とは決めつけれませんが…、
Disney+ と同じく2019年秋にスタートした Apple TV+ としては、配信市場の覇者の最大手の Netflix よりも先にアカデミー賞を制覇して、してやったりの逆転劇?!みたいな受賞とも言えそうですから、「コーダ」につけた破格の値段の約2,500万ドルは、この栄冠の費用対効果を考えると安かったかもしれませんね!!
PGA賞候補「ベルファスト」(ユニバーサル映画)
PGA賞候補「ドン'ト・ルック・アップ」(Netflix)
「ドライブ・マイ・カー」(Janus Films)
PGA賞候補「デューン」(ワーナー・レジェンダリー)
PGA賞候補「キング・リチャード」(ワーナー・ブラザース)
PGA賞候補「リコリッシュ・ピザ」(ユニバーサル映画)
「ナイトメア・アレイ」(ディズニー・サーチライト)
PGA賞候補「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」(Netflix)
PGA賞候補「ウエスト・サイド物語」(ディズニー・20世紀スタジオ)
最優秀監督賞 - DIRECTING
★ DGA賞受賞 ジェーン・カンピオン監督 「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」
ジェーン・カンピオン監督は、1993年に発表した映画史上の屈指の名作「ザ・ピアノ」が、第66回のアカデミー賞に計8部門もノミネートされて、最優秀監督賞に選ばれるべきだ…!!と言われながら…、
「シンドラーのリスト」のスピルバーグ監督にオスカー像をさらわれた経緯がありますから、今回の受賞はもう、ジェーン監督以外は考えられない…!!という雰囲気があっただけに当然の結果となっています!!
DGA賞候補 ケネス・ブラナー監督 「ベルファスト」
濱口竜介監督 「ドライブ・マイ・カー」
DGA賞候補 ポール・トーマス・アンダーソン監督 「リコリッシュ・ピザ」
DGA賞候補 スティーヴン・スピルバーグ監督 「ウエスト・サイド物語」
最優秀長編アニメ映画賞 - ANIMATED FEATURE FILM
★ PGA賞受賞「エンカント」(ディズニー)
「フリー」(Neon)
PGA賞候補「ルカ」(ディズニー・ピクサー)
PGA賞候補「ザ・ミッチェルズ vs. ザ・マシーンズ」(Netflix)
PGA賞候補「ラーヤ・アンド・ザ・ラスト・ドラゴン」(ディズニー)
最優秀主演女優賞 - ACTRESS IN A LEADING ROLE
★ SAG賞受賞 ジェシカ・チャステイン 「ジ・アイズ・オブ・タミー・フェイ」
SAG賞候補 オリヴィア・コールマン 「ザ・ロスト・ドーター」
ペネロピ・クルス 「パラレル・マザーズ」
SAG賞候補 ニコール・キッドマン 「ビーイング・ザ・リカードズ」
クリステン・スチュワート 「スペンサー」
最優秀主演男優賞 - ACTOR IN A LEADING ROLE
★ SAG賞受賞 ウィル・スミス 「キング・リチャード」
ウィル・スミスが授賞式の舞台上で起こした暴力事件は、その暴行の動機となったプレゼンターのクリス・ロックのジョークまで含めて、まったくアカデミー賞にふさわしくない品格を欠いたものですから、それらについてレポートするのは書くのも読むのも不愉快になるだけの不毛なので、詳細は割愛しますが…、
あり得ない失敗をまた繰りかえしたアカデミー賞はもう本当にダメではないか?!と、ただ心配です…。
同情の余地はありますが、ウィル・スミスが暴力事件を起こし、アカデミー賞の価値が、さらに下がったと思います。本人は「家族を守る」ことの価値を受賞スピーチで語りましたが、暴力を振るわれてるなら、まだしも、いきなり相手を殴るのを家族を守ると言えるか⁉、世間の常識人は眉をひそめています😔 https://t.co/c7NtEqvRoG
— CIA🌟Movie News+ (@Extra_Cia) March 28, 2022
SAG賞候補 ハビエル・バルデム 「ビーイング・ザ・リカードズ」
SAG賞候補 ベネディクト・カンバーバッチ 「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」
SAG賞候補 アンドリュー・ガーフィールド 「ティック、ティック…ブーン!」
SAG賞候補 デンゼル・ワシントン 「マクベスの悲劇」
最優秀助演女優賞 - ACTRESS IN A SUPPORTING ROLE
★ SAG賞受賞 アリアナ・デボース 「ウエスト・サイド物語」
ジェシー・バックリー 「ザ・ロスト・ドーター」
ジュディ・デンチ 「ベルファスト」
SAG賞候補 キルスティン・ダンスト 「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」
アンジャニュー・エリス 「キング・リチャード」
最優秀助演男優賞 - ACTOR IN A SUPPORTING ROLE
★ SAG賞受賞 トロイ・コッツァー 「コーダ」
キーラン・ハインズ 「ベルファスト」
ジェシー・プレモンス 「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」
J. K. シモンズ 「ビーイング・ザ・リカードズ」
SAG賞候補 コディ・スミット=マクフィー 「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」
最優秀オリジナル脚本賞 - WRITING - ORIGINAL SCREENPLAY
★「ベルファスト」(Kenneth Branagh)
WGA賞受賞「ドン'ト・ルック・アップ」(Adam McKay and David Sirota)
WGA賞候補「キング・リチャード」(Zach Baylin)
WGA賞候補「リコリッシュ・ピザ」(Paul Thomas Anderson)
「ザ・ワースト・パーソン・イン・ザ・ワールド」(Eskil Vogt and Joachim Trier)
最優秀脚色賞 - WRITING (ADAPTED SCREENPLAY)
★ WGA賞受賞「コーダ」(Sian Heder; based on the original motion picture screenplay La Famille Bélier written by Victoria Bedos, Thomas Bidegain, Stanislas Carré de Malberg and Éric Lartigau)
「コーダ」は、2014年公開のフランス映画「ベリエ家の人たち(邦題「エール」)」のリメイクです。
「ドライブ・マイ・カー」(Ryusuke Hamaguchi and Takamasa Oe; based on the short story by Haruki Murakami)
WGA賞候補「デューン」(Jon Spaihts, Denis Villeneuve and Eric Roth; based on the novel by Frank Herbert)
「ザ・ロスト・ドーター」(Maggie Gyllenhaal; based on the novel by Elena Ferrante)
「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」(Jane Campion; based on the novel by Thomas Savage)
最優秀国際映画賞 - INTERNATIONAL FILM
★「ドライブ・マイ・カー」(日本)
「フリー」(デンマーク)
「ザ・ハンド・オブ・ゴッド」(イタリア)
「ルナナ : ヤクのいる教室」(ブータン)
「ザ・ワースト・パーソン・イン・ザ・ワールド」(ノルウェー)
最優秀撮影賞 - CINEMATOGRAPHY
★「デューン」(Greig Fraser)
「ナイトメア・アレイ」(Dan Laustsen)
「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」(Ari Wegner)
「マクベスの悲劇」(Bruno Delbonnel)
「ウエスト・サイド物語」(Janusz Kamiński)
最優秀編集賞 - FILM EDITING
「ドン'ト・ルック・アップ」(Hank Corwin)
★「デューン」(Joe Walker)
「キング・リチャード」(Pamela Martin)
「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」(Peter Sciberras)
「ティック、ティック…ブーン!」(Myron Kerstein and Andrew Weisblum)
最優秀視覚効果賞 - VISUAL EFFECTS
★「デューン」
「フリー・ガイ」
最優秀音響賞 - BEST SOUND
「ベルファスト」
★「デューン」
「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」
最優秀作曲賞 - MUSIC - ORIGINAL SCORE
「ドン'ト・ルック・アップ」(Nicholas Britell)
★「デューン」(Hans Zimmer)
「エンカント」(Germaine Franco)
「パラレル・マザーズ」(Alberto Iglesias)
「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」(Jonny Greenwood)
最優秀オリジナル主題歌賞 - MUSIC (ORIGINAL SONG)
“ Be Alive ” from 「キング・リチャード」
“ Dos Oruguitas ” from 「エンカント」
“ Down to Joy ” from 「ベルファスト」
★ “ No Time to Die ” from 「ノー・タイム・トゥ・ダイ」
“ Somehow You Do ” from 「フォー・グッド・デイズ」
最優秀美術賞 - PRODUCTION DESIGN
★「デューン」(Patrice Vermette, Zsuzsanna Sipos)
「ナイトメア・アレイ」(Tamara Deverell, Shane Vieau)
「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」(Grant Major, Amber Richards)
「マクベスの悲劇」(Stefan Dechant, Nancy Haigh)
「ウエスト・サイド物語」(Adam Stockhausen, Rena DeAngelo)
最優秀衣装デザイン賞 - COSTUME DESIGN
★「クルエラ」(Jenny Beavan)
「シラノ」(Massimo Cantini Parrini and Jacqueline Durran)
「デューン」(Jacqueline West and Bob Morgan)
「ナイトメア・アレイ」(Luis Sequeira)
「ウエスト・サイド物語」(Paul Tazewell)
最優秀メイクアップ賞 - MAKEUP AND HAIRSTYLING
「カミング 2 アメリカ」
「クルエラ」
「デューン」
★「ジ・アイズ・オブ・タミー・フェイ」
「ハウス・オブ・グッチ」
最優秀長編ドキュメンタリー映画賞 - DOCUMENTARY FEATURE
「Ascension」
「Attica」
「Flee」
★「Summer of Soul」
「Writing with Fire」
最優秀短編ドキュメンタリー映画賞 - DOCUMENTARY SHORT
「Audible」
「Lead Me Home」
★「The Queen of Basketball」
「Three Songs for Benazir」
「When We Were Bullies」
最優秀短編映画賞 - SHORT FILM (LIVE ACTION)
「Ala Kachuu – Take and Run」
「The Dress」
★「The Long Goodbye」
「On My Mind」
「Please Hold」
最優秀短編アニメ映画賞 - SHORT FILM (ANIMATED)
「Affairs of the Art」
「Bestia」
「Boxballet」
「Robin Robin」
★「The Windshield Wiper」
第94回 アカデミー賞 授賞式を全米生放送するディズニー傘下 ABC テレビの番組は太平洋標準時、つまり、ロサンゼルスの時間の午後5時スタートですから、日本の日時で言えば、3月28日の月曜日のアサの午前9時から授賞式が始まることになります。お楽しみに…!!