Box Office : 10月5日～7日の全米映画ボックスオフィスTOP5の第1位

トム・ハーディ主演「ヴェノム」が、酷評を笑い飛ばすかのように、国内外で同時に10月公開映画史上最大の封切りヒットを叩き出す快挙を達成 ! !、「スパイダーマン」シリーズを除けば、ソニピ史上2番めの巨額デビューを果たした初登場第1位 ! !

第1位 (初) 「ヴェノム」(1億ドル)

$80,030,000−(4,250館/$18,831)−$80,030,000

TV Spot : Venom

★RT支持率は評論家 31 % , 観客 89 % / Metacritic スコア 35 / 出口調査の CinemaScore B+

ヴェノム大好きの息子ルイス君のリクエストに応じて、「ヴェノム」に主演するのを決めた！！というパパとして、子どもに観せるための仕事をしたかったトム・ハーディが希望した主人公のエディとエイリアン・シンビオートの二心同体の愉快なバディ・ムービーのコメディ映画！！という方向性に対して…、

メガホンをとったルーベン・フライシャー監督（「ゾンビランド 2」2019年10月11日公開）は、大人向けのホラー色の強いシリアスなトーンを望んだ…という両者の考え方の違いをお互いに汲んで、妥協した結果だったのか？！、まるで、まとまりのない散漫な印象の超失敗作！！として、評論家やジャーナリストから酷評を食らってしまった “ SUMC ” = ソニー’ズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクターズ、つまり、ソニピ版の新・マーベル・シネマティック・ユニバースの第1作めでしたが…、

週末3日間の封切り成績の見込みとして、ソニピが約8,003万ドルの巨額を発表したことから、先月9月半ばにお伝えしたように、アルフォンソ・キュアロン監督の傑作「グラビティ」（2013年）が記録した10月公開映画史上最大のオープニング・ヒットの約5,579万ドル（3,575館）を抜いて、新たに10月の王者の頂点に君臨したばかりか、ソニピ作品としては…、

本来であれば、エイリアン・シンビオートが属するはずの同社のドル箱映画「スパイダーマン」シリーズを除けば、ダニエル・クレイグ主演の「007」の第23作め「スカイフォール」が、2012年の11月公開で記録した約8,836万ドル（3,505館）に次ぐ、同社史上2番めにも位置づけられる封切り大ヒットのあっぱれ！！となっています…！！、その上さらにスゴいのは…、

北米と同時に封切られた世界の58地域の市場での総売り上げ＝約1億2,520万ドルをあわせると、全世界のトータルでいきなり、2億ドル超えの約2億523万ドルを稼いだ「ヴェノム」は、10月公開映画史上最大の国際的なオープニング・ヒット！！の新記録達成を果たしていますから、国内外を問わず、10月中に封切られた映画としては、とにかく史上最高の記録破りの驚きの大ヒットを果たした文字通りに頂点デビューの結果ともなっています…！！

Movie Clip : Repo Men

となれば当然、トム・ハーディとミシェル・ウィリアムズの男女の主演スターの双方にとって、トムとしては「マッドマックス : フューリー・ロード」（2015年）の封切り成績＝約4,543万ドル（3,702館）を軽々と超えた自己ベストを更新！！、そして、生活のために、たまには出演料のお金を目当てにした仕事もしなければならない…というヒーロー映画に初参戦を決めた理由を正直に語ってくれた演技派女優のミシェルにとっては、サム・ライミ監督のディズニー映画の大ヒット作「オズ・ザ・グレート・アンド・パワフル」（2013年）の同記録＝約7,911万ドル（3,912館）を超えた自己ベスト更新！！だけに、お金目当ては正解だった「ヴェノム」は…、

今年2018年公開映画としては、「スター・ウォーズ」アンソロジー第2章「ソロ」のオープニング成績＝約8,442万ドル（4,381館）に迫って、ディズニー・マーベルのコミックヒーロー映画「アントマン・アンド・ザ・ワスプ」の同成績＝約7,581万ドル（4,206館）を超えた今年7番めの封切り大ヒット作！！ともなっています…！！

また、その「アントマン・アンド・ザ・ワスプ」が前夜祭興行で稼いだ約640万ドルを軽く超えて、「パラノーマル・アクティビティ 3」（2011年）の記録＝約800万ドルを上まわった約1,000万ドルを、ひと晩のうちに稼いだ「ヴェノム」は、10月公開映画の前夜祭興行史上最大のヒット作！！の記録破りも達成していますが、ただし、「ヴェノム」の前夜祭興行は夕方の午後5時にスタートしているため、過去の作品よりも上映回数が少なくとも1回は多い…

…という好条件にもとづくものとなっていますから、本当に「パラノーマル・アクティビティ 3」を超えたのか？！は、やや疑問ですが、同ホラー映画の週末3日間のオープニング成績は約5,257万ドル（3,321館）でしたから、軍配が上げられるのはエイリアン・シンビオートの方では…？！と理解しても、差支えがないのではないでしょうか…？！

なお、冒頭でふれた評論家やジャーナリストの絶句の酷評にもとづいて、映画の格付けサイト Rotten Tomatoes での支持率は腐敗映画に認定の31％となっていますが、しかし、一般の観客の支持率は絶賛の90％に近い値となっていますし、出口調査の評価も、まずまずの “ B+ ” という矛盾した好評の結果があらわれています。よって、評論家とは違って、観客は大いに「ヴェノム」を楽しんで、気に入った！！と見なすことができるわけですが…、

「ヴェノム」のオープニング興行の動員の特徴としては、約6割以上が、25歳以下の若年層という主に若い観客によって、支えられたものとなっています。どうして、「ヴェノム」の観客には若者が多いのか？！の理由としては…、

同日に公開された次回アカデミー賞の最優秀作品賞の最有力候補作の傑作「スター誕生」の観客の9割近くは、25歳以上の大人ばっかりという正反対のような動員となっていますから、大人の観客は、ブラッドレー・クーパーとレディー・ガガの泣かせるリメイク映画の方を選んだという事情と無縁ではなさそうな次第ですが、「ヴェノム」を観て、よかった！！、面白かった！！と好評価をしているのは、20歳前後の若者の観客のリアクションか…というのを、大人の映画通の方は理解して、受けとめておいた方がよさそうです。

しかし、そのように「ヴェノム」が若者に大ウケして、大ヒットになった結果を踏まえると、息子の楽しめるコミックヒーロー映画を…！！と望んで、コメディ志向にしたトム・ハーディのセンスは正解だったかもしれませんし、同ジャンルのブロックバスター映画としては、やや控えめの製作費の約1億ドルで完成した「ヴェノム」が、暗黒のエイリアン・シンビオートのカラーにそって、黒字に染まるのは、ほぼ間違いなさそうですから…、