Box Office : 6月21日～23日の全米映画ボックスオフィスTOP5の第1位

ピクサー看板アニメ「トイ・ストーリー」の第4作めが、シリーズ史上最高の封切り成績を記録するも、期待されたノルマを達成できず、事実上の沈没と言える敗北を喫したガッカリの初登場第1位 ! !

第1位 (初) 「トイ・ストーリー 4」(2億ドル)

$118,000,000−(4,575館/$25,792)−$118,000,000

Trailer : Toy Story 4

★RT の評論家の支持率 98 % / Metacritic スコア 84 / 出口調査の CinemaScore A

「アベンジャーズ : エンドゲーム」と「アラジン」、そして、「ジョン・ウィック 3」の「パラベラム」を除けば、話題のブロックバスター映画が軒並み、観客を動員することができず、次々に沈没している今夏の全米映画興行のサマームービー・ウォーズですが、「これでおしまいの完結編」と銘打った前作から約9年を経て、おもちゃたちが帰ってきた「トイ・ストーリー 4」を封切ったディズニーが…、

週末3日間の売り上げのオープニング成績の見込みとして、いきなり大台の1億ドルを超えた巨額の1億1,800万ドルの金額を発表したことから、ご覧のように…、

「トイ・ストーリー」シリーズの封切り成績と国内での最終的な売り上げ

第1位 「4」（2019年）　1億1,800万ドル（4,575館） >>> ？億？？？万ドル
第2位 「3」（2010年）　1億1,031万ドル（4,028館）>>> 4億1,500万ドル
第3位 「2」（1999年）　5,739万ドル（3,236館）>>> 2億4,585万ドル
第4位 「1」（1995年）　2,914万ドル（2,457館）>>> 1億9,180万ドル

※「2」は例外的に、たった1館だけの限定公開により、約30万ドルを稼いだ封切りのスタートでしたから、2週めの全米公開時のデータを採り上げました。

シリーズ史上最高の封切りヒット！！の新記録達成を果たしたものの、しかし、映画館のスクリーンの数も史上最高！！となっていますから、1館あたりの平均の売り上げを比較してみると、完結編の「3」が約2万7,385ドルを稼いでいたのに対し、「4」は約2万5,792ドルだけに、実は観客の数は減っていることになります…。

また、その完結編「3」と同等の2億ドル近い巨額の製作費をつぎ込んだディズニーとしては、1億5,000万ドル前後の金額を稼いでくれるはず！！と想定していたそうですから、共同監督のジョン・ラセター容疑者が性犯罪の常習者として、追放されたあと、単独でメガホンをとった新人ジョシュ・クーリー監督はノルマを達成できなかったことになりますし…、

いつも控えめの想定のディズニーとは違い、興行関係者やアナリストは、ピクサー史上最大封切りヒット作の「インクレディブルス 2」が、昨2018年の夏に記録した約1億8,269万ドル（4,410館）を超えて、いきなり、2億ドルを突破するに違いない！！と期待を寄せていたことを踏まえると…、

その2億ドル突破は確実！！の見方との比較では、実に8,200万ドルも少なかったことになりますから、映画館の数を増やした甲斐はなかったこともあり、「トイ・ストーリー 4」の全米公開は、まさかの沈没！！と見なされても仕方のない結果となってしまっています…。しかしながら…、

Movie Clip : テレビシリーズ「マッド・メン」などのクリスティーナ・ヘンドリックスが声優をつとめ、おもちゃとしては声を発する機能が壊れているため、子どもに遊んでもらえない悪役キャラのギャビー・ギャビーの登場シーン ! !

このあとに封切られる児童向けの新作映画となると来月7月19日全米公開のディズニー作品「ザ・ライオン・キング」まではありませんし、次のアニメ映画は再来月の8月14日全米公開の「アングリー・バーズ・ムービー 2」ですから、「トイ・ストーリー 4」のおもちゃたちは当分の間、ファミリー層の観客を独占できそうです。そして、出口調査の評価が最高に近い “ A ” のスコアだけに、口コミの後押しも受けられそうですから、順調に動員を維持して、これから数字を伸ばす可能性には期待を持てそうかもしれません。

なお、諸外国での封切りの売り上げのトータルとしては約1億2,000万ドルを稼いでいる「トイ・ストーリー 4」ですが、しかし、ハリウッドの映画産業にとって、今や頼みの綱の世界最大の映画市場の中国においては、今ごろになり、ようやく現地で封切られた宮崎駿監督の名作「千と千尋の神隠し」（2001年）に圧倒され、かすんでしまっていることから、約1,340万ドルしか集められていません…。