Benedetta :「エル」のポール・バーホーベン監督が「ルネサンス修道女物語」を映画化して、お得意の大人向けのタブーのテーマに斬り込んだ聖職者の同性愛の実話の問題作「ベネデッタ」の予告編を初公開 ! !
もう約3年近い前の2018年夏に「ブレシド・ヴァージン」つまり「祝福された処女」として撮影された宗教ネタの実話映画は…
当初の予定では翌2019年の第72回 カンヌ国際映画祭で披露されるはずでしたが、ポール・バーホーベン監督が手術を受けたこともあって、仕上げが遅れてしまい、さらに翌年つまり去年2020年の第73回のカンヌ国際映画祭に出品しようと思ったら、パンデミックに遭遇し、映画祭が中止になったことから結局、3度めの正直?!として、今夏7月6日開幕の第74回 カンヌ国際映画祭の目玉映画になった…
Trailer : Benedetta
「祝福された処女」のタイトルを主人公の名前の「ベネデッタ」に改めた製作・配給のパテが予告編を初公開してくれました…!!
イザベル・ユペールがアカデミー賞の最優秀主演女優賞の候補にあげられたバーホーベン監督の前作「エル」(2016年)でも信仰心の厚い人妻を演じていたヴィルジニー・エフィラが、1591年にイタリアに生まれた実在の修道女のベネデッタ・カルリーニに扮して、主演をつとめた「ベネデッタ」は、カリフォルニアの歴史学者のジュディス・C・ブラウン女史が、1986年に発表した「イモディスト・アクツ : ザ・ライフ・オブ・ア・レズビアン・ナン・イン・ルネサンス・イタリー」を原作の下敷きとする実話の歴史映画です。
その「慎みを欠いた行い」というタイトルの著書を「ルネサンス修道女物語―聖と性のミクロストリア」と題して、邦訳出版したミネルヴァ書房によれば…
「メディチ家雑録」に遺された裁判記録をもとに再構成されたベネデッタ・カルリーニの物語である。山人、幻視、悪魔憑き、レズビアニズム…生き生きとして、恐ろしく、また魅力に溢れる彼女の生涯は、それ自体が修道院ポリティクスの舞台上で演じられたドラマであり、近世を映し出す等身大の鏡だといえよう。
…とのことで、幼い頃から奇跡を起こす力を持っていたとされるベネデッタ・カルリーニは修道女となり、トスカーナ州ペーシャの修道院長にまで引き立てられますが、男性を恐怖する幻視にとらわれて、悪魔憑きが疑われ、やがて、修道女同士の同性愛にふけったことが発覚し、その禁断の性行為はベネデッタに憑依した男性の悪魔によるものだった…などとパートナーが証言するも、修道院長の立場を追われることに…。
ポール・バーホーベン監督のいずれも異色の風変わりな作品のうち、「ロボコップ」(1987年)や「トータル・リコール」(1990年)、「スターシップ・トゥルーパーズ」(1997年)などの SF アクションの路線ではなく、「氷の微笑」(1992年)や「ショーガール」(1995年)、そして、前述の「エル」などのエロチック路線の系譜に連なることは間違いのない「ベネデッタ」の共演者は…、
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「マトリックス」シリーズのランベール・ウィルソン、「テイクン」シリーズのオリヴィエ・ラブルダン、「エディット・ピアフ」(2007年)のクロティルド・クローらに加えて、SF 映画の超大作「デューン」が今秋10月1日から全米配信公開のシャーロット・ランプリング。フランスの大手映画スタジオのパテが製作したフランス語の映画ですから、本国となるフランスでは今夏7月9日封切りの予定です。ポール・バーホーベン監督のブラックなタッチの映画が大好きの方はお楽しみに…!!