Box Office : 9月10日~9月12日の全米映画ボックスオフィスTOP5
アジア系ヒーローの傑作「シャンチー」が、公開2週めも大ヒットの首位連覇の一方、ネタバレ防止のため、物語の驚きの真の展開をほのめかすことが出来ないだけに宣伝困難だったジェームズ・ワン監督のホラー映画「マリグナント」が気の毒すぎる沈没のお陀仏 ! !
*各数字は週末成績-(公開館数/平均売上げ)-トータル成績。題名の後の()は概算の製作費です。
映画の鑑賞価値を推し測る参考の RT/MC の数値は、初めてランクインした時点での値です。
第1位 (1) 「シャンチー&ザ・レジェンド・オブ・ザ・テン・リングス」(1億5,000万ドル)
$35,786,000−(4,300館/$8,322)−$145,601,141
Movie Clip : 「アイアンマン 3」のフェイクのマンダリン(ベン・キングズレー)と相棒のもののけの顔なしモーリスの登場シーン ! !
先週の初公開の週末3日間の封切り成績が約7,539万ドル(4,300館)の特大ヒットだった「シャンチー」は、M・ナイト・シャマラン監督の「ザ・シックス・センス」が、1999年から維持していたレイバー・デー(労働者の日)の週末の封切り成績の記録=約2,668万ドル(2,161館)を約22年ぶりに破ったばかりか…
レイバー・デーの祝日の月曜日を含めた4日間の売り上げが大台の1億ドルに近い約9,467万ドルにまで跳ねあがったことから、ロブ・ゾンビ監督のリメイク版「ハロウィン」(2007年)の同祝日を含めた同じく4日間を通しての売り上げ=約3,059万ドル(3,472館)をも優に超えて、いまだパンデミック禍中だと言うのに、まったく記録破りの驚きのデビューを果たしてくれたわけですが、公開2週めも…、
「#シャンチー (https://t.co/NqCgLFTwWr)」に登場した変テコな生き物を、#マーベル が創作したオリジナルのクリーチャーとカン違いした人もいるかと思いますが、これは #中国 の神話の怪物「渾沌」です😆無理やりの屁理屈のことを「渾沌に目鼻を空ける」と言う諺の混沌です。混沌に目鼻はありません😂 pic.twitter.com/PQqf6gsfA0
— CIA🌟Movie News - Extra+ (@Extra_Cia) September 5, 2021
パンデミック以前の通常時の並のヒットの封切り成績に相当する約3,579万ドルを稼いでくれました…!!
この「シャンチー」の2週めのヒットは、先週の記録破りデビューから約マイナス53%の集客減ですから、今夏のもうひとつのマーベルの大ヒット作であり、公開と同時の有料配信もあった「ブラック・ウィドウ」の2週めの約マイナス68%よりも客足を維持できたことになるため、やはり、例え有料の同時配信だとしても、まずは映画館での上映だけのほうがよいのでは…という声が当然、興行関係者から聞かれることになりそうですし…、
公開2週めの集客減が約マイナス53%というのは、コロナと言えば、クルマのことだった2017年秋に封切られた雷神シリーズの第3作め「ソー : ラグナロク」の公開2週めの集客減の約マイナス53%とピタリ同じ数字となっていますし、また…、
コロナと言えば、ビールのことだった一昨年の2019年夏に封切られた「スパイダーマン: ファー・フロム・ホーム」の公開2週め集客減の約マイナス51%と比べても、遜色ありませんから、シムとノラの親友コンビに、シャンチーの妹シャーリン役のメンガー・チャンを加えたトリオは、パンデミック禍の悪影響なんて、もう存在しませんよ!!とでも言わんばかりのマーベルのヒーロー映画らしい、ごく当たり前の普段どおりの快進撃を続けていることがミラクルとなっています…!!
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第2位 (3) 「フリー・ガイ」(1億2,000万ドル)
$5,819,000−(3,650館/$1,594)−$101,839,050
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第3位 (初) 「マリグナント」(4,000万ドル)
$5,570,000−(3,485館/$1,598)−$5,570,000
Trailer : Malignant
「アクアマン」(2018年)の大ヒットの封切り成績=約6,787万ドル(4,125館)と「ワイルド・スピード 7」(2015年)のウルトラ特大ヒットの封切り成績=約1億4,716万ドル(4,003館)とは、それぞれジャンル違いなので、ひとまず横においておくとして…、
ジェームズ・ワン監督が本来の「ホラー映画の達人」として、メガホンをとった「ザ・カンジュアリング」(2013年)の封切り成績は約4,186万ドル(2,903館)、続編の「ザ・カンジュアリング 2」(2016年)の同成績は約4,041万ドル(3,343館)、そして、両ホラー映画の間に手がけたホラー映画「インシディアス」の第2作め(2013年)の封切り成績は約4,027万ドル(3,049館)ということは…、
「ジェームズ・ワン監督のホラー映画ですよ!!」という宣伝文句のフレコミがつけば、つまり、4,000万ドルぐらいの封切り成績は稼げるわけか…と見当をつけることができそうですから、パンデミック禍中とは言え、同監督なりのヒットを期待したかった「マリグナント」は…、
上映館のスクリーンの数が前述のホラーの3作品よりも多い 3,485館だと言うのに、もはや、経費と手間を考えると封切らなかったほうがマシかもしれない沈没の約557万ドルの即死の結果となっています…。
「マリグナント」の興行が、どうして失敗に終わったのか…?!のわけとしては、これまでのホラー映画とは、やや異なる暴力的な新境地を目指したジェームズ・ワン監督の試みに対し、評論家やジャーナリストのほか、映画通は前向きに受けとめて、いつものように高評価をしてくれたものの、出口調査の結果のスコアが、ガッカリの “ C ” だけに、観客は物語の思いがけないサプライズのひねりも含めて、今ひとつ呑み込めなかったらしいこともあるでしょうし…、
ネタバレになるので、ハッキリとは書けませんが、前述の「カンジュアリング」シリーズからスピンオフした恐怖の人形ホラー「アナベル」(2014年)のアナベル・ウォーリスが演じる主人公マディソンが悩まされる “ 空想上のお友だち ” のゲイブリエルの存在の謎のサプライズを隠しておくために、宣伝では物語の内容や見どころを曖昧にしか伝えていない PR 不足もあるでしょうが、しかし、何と言っても…、
パンデミック禍中の2021年の全米公開作品は総て、ひとつ残らず封切りと同時に自社の配信サービス HBO Max から配信する…!!というワーナー・ブラザースの方針が、感染予防の観点からはホメられるものの、映画館での上映だけの「シャンチー」が、パンデミック以前と同じヒットの動員を普通に集めていることを踏まえると、同時配信は海賊版がまん延する問題もあるわけですし、見直したほうがよいのでは…?!と、「ザ・スーサイド・スクワッド」の不発に続けて、「マリグナント」まで即死のワーナー全滅のひとり負けの状況に入ったのを見て、誰も彼もが思うのではないでしょうか…?!
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第4位 (2) 「キャンディマン」(2,500万ドル)
$4,930,000−(3,279館/$1,504)−$48,132,280
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第5位 (4) 「ジャングル・クルーズ」(2億ドル)
$2,445,000−(2,800館/$873)−$109,888,347
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